<高校野球岐阜大会>◇25日◇準決勝

 県岐阜商が宿敵大垣日大を1-0で破り、2年連続甲子園出場に王手をかけた。

 お互いに手のうちを知り尽くしたチーム同士。藤田明宏監督(42)は敵将・阪口慶三監督(66)を上回る采配の冴えをみせた。8回裏に勝負をかけた。「思い切りの良さ」をかい、代打で岩越駿介捕手(3年)を起用。これが的中し左前打で出塁すると、2死後に期待の1番恩田英臣外野手(3年)に打順が回った。恩田は「初球から思い切り行こうと決めていた。インコース低めをたたきました」と会心の左前決勝打を振り返った。

 先発の松田侑樹投手(3年)起用も大胆だった。松田は22日の準々決勝(大垣商戦)で集中打を浴びるなどふがいない投球だった。それでも藤田監督は「意地と大垣日大との相性の良さ」を見込んで、あえて先発させた。松田が8回無失点の力投でこたえた。昨夏の甲子園では4強進出。それを上回る権利を、今日の決勝戦でつかみ取る。【坂祐三】