お待たせの1発だ。ロッテが主砲アルフレド・デスパイネ外野手(28)の一振りで、連敗を4で止めた。1-2の3回無死一、二塁。1ストライクからの2球目、楽天則本の外寄りのスライダーが高く来た。リーチが伸びる大好きなゾーンを見逃さない。左中間への今季1号が、値千金の逆転3ランとなった。「やっと出たね。うれしいよ。『デスパいい~ね』だよ」。決めぜりふとともに、少年のような笑顔を振りまいた。

 キューバ国内リーグ出場のため、再来日は今月11日までずれ込んだ。15日から戦列復帰も、前日までの7試合で26打数5安打、打率1割9分2厘と落ち込み、指定席のはずの4番も外された。皮肉にも、復帰と同じタイミングで打線全体が低調になった。伊東監督は「急に、みんなドツボにはまった」と嘆いていた。だが、腹をくくった。4連敗した前夜の試合後「最終的には4番を打つ打者。気楽に打たせて凡打なら、4番で凡打の方がいい」と、4試合ぶりにクリーンアップの真ん中に据えた。指揮官の期待に応える1発となった。

 8回には左前打を放ち、今季初のマルチ安打も記録。デスパイネは「打率が低いから大きいね。これから少しずつ良くなるよ」。2割3分を超えた打率を胸に、少し恥ずかしそうに誓った。【古川真弥】