阪神一筋19年、関本賢太郎内野手(37)が、本拠地甲子園で4万6843人の虎ファンに見守られ、別れを告げた。

 この日は6点を追う8回2死一塁の場面で代打出場し黒田相手に投手ゴロ、その後三塁の守りについた。

 試合を勝利で飾れなかったが、引退セレモニーが行われ、あいさつを行った。「大好きな野球を続けてこれたのも皆さんの支えがあったからこそ。いいときも悪いときも家族、友人、知人ありがとう。大きく産んでくれ、いつも応援してくれるお父さん、お母さんありがとう。僕の両親は、僕がプロ野球選手になることが夢でした。19年間、必死にもがいてきましたけど、少しは親孝行できたんじゃないかなと思います」と言葉をつないだ。

 バイプレーヤーとしてチームを支えてきた男らしく裏方への感謝も忘れなかった。「19年間、トレーナーさん(医療の)先生、打撃投手を務めてくれた皆さん、スコアラーさん、いつも最高のコンディションをつくってくれた阪神園芸の皆さん、みなさんの支えあってここまでこれました」。

 もちろん、お立ち台でファンを沸かせてきた名フレーズも忘れていなかった。「阪神タイガース、背番号3、関本賢太郎はユニホームを脱ぎますが、第2の人生はみなさんの声援を胸に必死のパッチで頑張っていきたいと思っています。いつか甲子園に帰ってきたい」と声を張り上げ、野球指導者への意欲も示していた。

 あいさつを終えると広島の新井貴、鳥谷らから花束が贈られた。関本の愛息2人もグラウンドに現れ、涙の抱擁をかわした。関本は、紙テープが舞う中、場内を一周。チームメートから胴上げされ、心地よく甲子園の夜空に向かって舞った。