二塁でだめなら外野だぞ! 阪神金本知憲監督(47)は、移籍4年目の来季に二塁レギュラー取りの勝負を懸ける西岡剛内野手(31)の訴えを認めつつ、だめなら外野コンバートの方針もあることを伝えた。

 完全復活へ向けて歩み出している西岡へ、金本新監督の叱咤(しった)激励が飛んでいた。移籍3年目の今季、西岡は二塁での競争を志願したが、春季キャンプ最終日に三塁にまわることで決着した。開幕を迎えながら故障で戦線離脱。結局、50試合で打率2割6分2厘という成績に終わった。現在は肉体改造を決意して来季の復活へ向かっている。

 そんな西岡は金本監督へ来季、もう1度、二塁で勝負したいと直訴。指揮官は了承するとともに、首脳陣が無理だと判断すれば、外野にコンバートすることを告げたという。

 金本監督 セカンドで準備して、キャンプで見て、コーチに見てもらい判断して、ダメなら外野にいってもらうよとは伝えた。本人も『そのつもりです』と。

 ロッテ時代は遊撃手として、メジャーに移籍してからは二塁手として、そして阪神移籍後も二塁、三塁と内野を主戦場としてきた西岡は外野を守ったことはない。何としても自らの力を証明したいところだろう。

 20日までに金本監督は来季の開幕スタメン構想について「全くない。イメージを持ってはいけない。(決めるのは)開幕の2、3日前じゃないか。鳥谷とゴメス、福留はよっぽどのことがない限りおそらくスタメンでしょうけど」と話しており、この3人以外は白紙であることを強調した。実績のある西岡もそれは例外ではない。大競争に勝ち残るしか道はないのだ。

 高知・安芸の秋季キャンプでは大和が二塁を守った。上本も外野に挑戦するものの、本職は二塁。さらには飛躍が期待される荒木もいる。この激戦区で最も実績のある西岡が生き残ることができるのか。内野手としての“最後通告”は、本人の志願を意気に感じた金本監督が期待を込めて、尻をたたいたという構図にも見える。【鈴木忠平】