伝説のシンカーを習得する。サイドスローに転向したオリックス佐藤世那投手(20)が12日、史上最高のサブマリンに弟子入りを志願した。

 この日、オリックスOB会長の山田久志氏(69)が臨時コーチとしてチームに合流。佐藤世は「高めの真っすぐの強さや変化球の抜き方を教えてほしい。一番はシンカーです」と、目を輝かせた。

 鋭い視線を感じていた。この日、今キャンプ初めてシート打撃に登板。その投球を見ようと、キャンプ施設に到着したばかりの山田臨時コーチが、2軍の球場に駆けつけた。打者9人に32球を投げて被安打2。19日まで滞在予定の同臨時コーチは「まだまだ」と話したが、今後も「強化選手」として指導する方針だ。

 佐藤世はウエスタン・リーグ選抜で昨年12月中旬まで参加した台湾ウインター・リーグ中に、上手からサイドに変更。仙台育英を甲子園準Vに導いた高校時代は直球とフォークのイメージが強かったが、転向後はシンカーにも取り組む。「すごい方。身近にそういう方がいるので、いいものを得たい」。期待の若武者が、通算284勝のレジェンドから飛躍のきっかけをつかむ。【桝井聡】

 ◆佐藤世那(さとう・せな)1997年(平9)6月2日、仙台市生まれ。南光台東小2年時から野球を始める。仙台育英では1年秋からベンチ入り。3年夏甲子園で準優勝。U18W杯ではエース格として準Vに貢献した。15年ドラフト6位でオリックス入団。昨季2軍では12試合で2勝1敗、防御率5・00。181センチ、84キロ。右投げ右打ち。