オーストラリア代表との2試合を終え、20年夏の東京オリンピック(五輪)まで侍ジャパンが集まる機会は残り4回になった。今回のメンバーは「28選手+コーチ5人」だったのに対して、東京五輪は「24選手+コーチ3人」の予定。北京五輪では選手が一塁コーチを務めるなど、慣れない環境で戦う必要が出てくる。侍ジャパンの山中正竹強化本部長は、今秋予定される日米野球から五輪を想定した人数で戦う可能性について「ないこともない。断定的なことは言えないが、20年にベストにもっていくため、できるだけ早い方がいいと決断して臨むかどうか」と検討する。

 東京五輪では、選手が4人減ることで、複数ポジションを守れる選手の重要度が増す。今回の2試合は、代表常連組に加えて西武外崎、日本ハム松本ら内外野を守れる若手をテストした。同強化本部長は「(日本ハム)清宮が今年1年間どんな働きをするか。(秋に招集する)チャンスはある。清宮に限らず、今頑張っている人が2年後にどうなるか。一番勢いのある選手で編成したい」と言う。

 稲葉監督は、10月のU23W杯(ニカラグア)で指揮を執ることも検討している。試合前ミーティングでは「国際大会は『1』が大事。投手は初球、野手は1スイング目。国際大会はその1球で勝敗が変わる。オリンピックは1戦目が特に大事になる」と呼び掛けた。残り2年半。限られた試合数の中で、より強く本番を想定した取り組みが重要になる。【前田祐輔】