27日の中日戦は7-8で逆転負け。勝って交流戦に弾みをつけたかっただけに、終盤の継投ミスは痛かった。ただ、不振だった鈴木が3安打3打点。開幕時中継ぎだった九里も試合は作った。主力級選手の離脱がありながらも、ここまで選手同士で補い合いながら勝って来た特長は垣間見えた。

 「チーム力」が今季の広島の強さと言える。1回は制球難の中日大野雄に対しても大振りせず、満塁から内野の守備位置を冷静に判断して転がしたことで得点につながった。相手の調子に合わせて打撃が雑になることなく、つなぐ意識が生んだ2得点だった。7回の得点は広島に根付く次の塁を狙う走塁が生んだ。

 今季も広島打線は相手の隙を逃さず、好機での集中力は高い。29日から交流戦に入る。パ・リーグは昔から選手個々の能力が高い印象が強いが、広島らしい組織化された戦い方で挑めば、十分に勝機はある。【広瀬叔功=日刊スポーツ評論家】