右翼ポール際へ吸い込まれる打球を見届けると、ロッテ福浦和也内野手(42)は少し驚いたような表情を浮かべて悠々とダイヤモンドを回った。「少しバットの先だったからどうかなって感じだったんだけど。ホームランなんて久しぶり。マグレだよ(笑い)」。4回に西武今井の直球を捉えた一時同点ソロは15年4月9日以来、実に3年半ぶりのアーチとなった。

目前に迫る通算2000安打へ、猛チャージをかけている。2回1死一塁でもスライダーを拾う中前打。今季2度目の複数安打で大台までマジック「4」に迫った。「まだまだ」と慎重な姿勢は崩さないが「監督が使ってくれる。ここまで来たら調子がどうとか言ってられないでしょう」。

42歳と9カ月。若手と同じ土俵で戦うため、準備とケアに誰より時間をかけてきた。グラウンドに出る前から約1時間のストレッチ。本拠地なら試合後もトレーニングを欠かさず、打撃映像は多角的にチェックする。「やれることはやったほうがいい」。その日の“宿題”はすべて片付けて帰る。若手や監督、コーチ陣が帰った後、ようやくウエートルームから出てくることはざらにある。

やっぱり偉業到達はホームがいい。「プロで最初のヒットがマリンだった。1000本目もマリン。千葉で達成できたら最高ですね」。15日からは本拠地8連戦。「最高」が現実味を帯びてきた。【鎌田良美】

▼42歳8カ月のロッテ福浦が15年4月9日オリックス戦以来の本塁打。ロッテで42歳以上の本塁打は50年若林忠志(42歳5カ月)78年野村克也(43歳1カ月)17年井口資仁(42歳9カ月)に次いで4人目。相手投手の今井は20歳4カ月。年齢差22歳以上の本塁打は、15年に和田一浩(中日)が23歳3カ月差の田口麗斗(巨人)から打って以来。パでは11年山崎武司(楽天)と菊池雄星(西武)の22歳7カ月差以来になる。