Vパレードは日本一で! 広島は12日、優勝パレードは日本シリーズ制覇のみ行う方針を固めた。連覇の昨年までは、11月下旬に広島の街をパレードし、ともに30万人を超えるファンが沿道で祝福。だが、今年は34年ぶりの日本一を達成したときだけの開催になる。チームの目標は日本一。ファンの思いも背負い、悲願達成へ突き進む。

ファンとともに、心から喜び合うための決断だった。広島は過去2年行ってきたVパレードを、今年は日本一達成時にのみ行うことを決めた。松田オーナーは「今年は絶対、日本一になりたい。日本一になってパレードする。そういう強い気持ちを持って行かないといけないんじゃないか」と説明。今年も広島の街を真っ赤に染めて、ファンとともに喜びを分かち合うためには、34年ぶり悲願を達成しなければいけない。

連覇した昨年まで広島市内でパレードを行った。25年ぶり優勝の一昨年は31万3000人が沿道を埋め、連覇した昨年も約30万3000人が集まった。今年は球団初の3連覇。多くのファンが3年連続のパレードを心待ちにしていただろうが、パレード決定は広島の今後の戦いに委ねられた。

悲願達成への強い決意の表れでもある。緒方監督や選手の思いも、同じ。この日、投手練習に参加した野村も「2年連続で悔しい思いをしている。CSを突破しないと日本一になれない。突破できるようチーム一丸で戦っていきたい」と意気込んだ。

前日11日、広島市内の焼き肉店で行われた決起集会でも「日本一に」という言葉が飛び交ったという。乾杯の音頭を取った会沢選手会長も、中締めのあいさつをした田中選手会長補佐も「日本一」という目標を口にした。引退を表明している新井も会見上で「最後、日本一になって、みんなとうれし涙で終われれば最高」と思いを訴えた。誰もが頂点しか見ていない。

シーズン最終戦、緒方監督は本拠地のファンに向かって「日本一というゴールに向かって、もう1度、気を引き締め直して戦いに向かいます」と誓った。優勝はあくまでも通過点。昨年悔しさを味わったCSを突破し、日本シリーズで一昨年のリベンジを果たすVロードを描いていく。【前原淳】