日本ハムの来季1軍投手コーチに木田優夫GM補佐(50)が就任することが28日、分かった。今日29日にも発表される。

14年に現役引退後、15年から現職に就任。日米8球団を渡り歩いた経験、人脈を生かして編成面でチーム強化のために尽力してきた。初のコーチ業となるが、戦力の現状は把握している。覇権奪回へ、投手陣をレベルアップさせられる適任者として白羽の矢が立った。

チームを「背広組」として支えてきた木田GM補佐が、現場で栗山監督を支える。来季の1軍首脳陣に投手コーチとして入閣することが決まった。初のコーチ業だが、投手陣のデータは頭に入っている。今季まで4年間は編成部門の要職を務めてきた。選手個々の現状を把握しているメリットは大きい。

豊富な経験値をベースにした投球のノウハウを、投手陣に伝える。86年ドラフト1位で巨人に入団後、14年に現役を退くまで日米8球団に所属した。先発、中継ぎ、抑えを全て経験。たゆまぬ努力と衰えぬ向上心から身につけた多くの技術的な“引き出し”があったから、28年間も現役を続けられた。これまでも助言することはあったが、今後はより深く接して経験を伝授することが可能になる。

GM補佐として日本ハムにフロント入りした15年以降は、アマチュア選手の視察や外国人選手の調査で渡米するなど、編成業務にまい進してきた。昨年のドラフト会議では1位入札で7球団競合となった清宮の交渉権を左手で引き当て、時の人にもなった。今年、外れ1位で交渉権を獲得した金足農・吉田輝星投手(17)についても、特長や課題を球団と共有している。金の卵をどう育成するのか、注目が集まる。

31日から沖縄・国頭で始まる秋季キャンプから、木田投手コーチとしてスタートを切る。スーツ姿を卒業し、12年シーズン以来6年ぶりに日本ハムのユニホームに袖を通す。今季はリーグ制覇を逃した要因の1つとなった先発陣の立て直しなど、強固な投手陣の再構築へ、経験をフルに生かす。

◆木田優夫(きだ・まさお)1968年(昭43)9月12日、東京・国分寺市生まれ。日大明誠から86年ドラフト1位で巨人入団。98年オリックスに移籍し、翌年タイガース入団。その後オリックス-ドジャース-マリナーズ-ヤクルト-日本ハム-BC・石川と日米球団を渡り歩き、14年引退。15年から日本ハムGM補佐。現役時代は188センチ、95キロ。右投げ右打ち。