中日のドラフト3位、三菱重工名古屋・勝野昌慶投手(あきよし、21)が15日、名古屋市の同社で松永編成部長、米村アマチーフスカウトらの指名あいさつを受けた。勝野は12日まで行われた社会人日本選手権に出場していたこともあり、ドラフト指名された6人のうちで最後の指名あいさつになった。

勝野は同選手権で2試合に先発し、決勝ではリリーフ登板。チームを初優勝に導き、MVPにも輝いたばかりだ。優勝とタイトルを手土産にプロ入りするが「1人だけじゃなく家族がいる。自覚と責任を持ってやっていきたい」と意気込んだ。今年6月に結婚した妻の希(のぞみ)さんからは「やりたいことをやって」とプロ入りを後押しされていた。

土岐市出身の勝野は、同じ岐阜県出身のドラフト1位の大阪桐蔭・根尾昂内野手(18)も意識。「山の方(高山市)にすごいのいるって、僕が高校時代から聞いたことがありました。実際に会ったことはないですが、中学時代の動画とかは当時から見てました」と話す。根尾は二刀流と決別して遊撃1本でプロ入りするが、それでも「負けたくない」と言い切った。

前日14日にはナゴヤドームでの日米野球を観戦。中日から笠原とともに侍ジャパンに選出された佐藤の登板もチェックした。「こんなすごい投手もいるんだ。負けられんぞ、って思いました」。大リーガーを抑える先輩の姿からも刺激を受けていた。

「(先発でも中継ぎでも)どこでも投げたい」と、勝野は開幕1軍入りを目標に掲げる。米村スカウトも「先発、リリーフのどちらでもやれる。6人の中では一番の即戦力。与田監督の期待にどういう状況でも応えられる」と太鼓判を押す。愛称は名字から1文字取っての「勝(カツ)」。「カツと試合をやると勝つね」とチームメートから言われる。与田竜に勝ち運をもたらす右腕が仲間入りする。