今季ヤクルトが2位に躍進した功労者の1人、抑えの石山泰稚投手(30)が12日、4800万円から一気に1億円に到達した。

「倍増以上です。すごく評価してもらえたんだなと、金額を見て思えました」。最終回に見せる自信満々のマウンドさばきとは一線を画し、照れた様子で色紙に書いた「一」の横に、人さし指を添えた。

今季は自己最多の71試合に登板。抑えのカラシティーが不調に終わると、石山が救世主のようにクローザーとして登場。35セーブを稼ぎ、CS進出に大きく貢献した。

飛躍したシーズンを終えたが、印象に残った試合を聞かれると「広島戦で人の勝ち星を消した試合です。ずっと思っています」。8月23日のマツダスタジアムで3点リードの9回に4失点で逆転サヨナラ負けの試合を挙げた。

口調はおとなしく、来季の目標を聞かれても「数字…、数字…、数字」とぶつぶつ。「シーズンを終わって良ければいい。チームが勝てば満足です」と苦心して気持ちをまとめた。大きなことは言わない代わりに、クローザーとしての覚悟は固まった。「補強しても、最後9回を投げさせてもらえるように争いたい」。そこはきっぱり、年俸大台の責任感をみなぎらせた。【井上真】(金額は推定)