ソフトバンクが「日本生命セ・パ交流戦」で2年連続の開幕3連勝発進。首位楽天に並んだ。ジュリスベル・グラシアル内野手(33)が初回に3戦連続となる12号2ランを放ち、8回には勝ち越しの2点タイムリーで試合を決めた。3戦で10本塁打と打線が爆発し、中日を圧倒した。

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「ルーフオープン」で開いていた屋根も閉じた8回裏。試合を決めたのはグラシアルだ。2死一、二塁から意表を突くダブルスチールで二、三塁。次打者は途中出場でプロ無安打の九鬼が控えていた。勝負を避けられてもおかしくない場面だが、雑念なく打席に立った。「歩くとかは考えてなかった。集中していた」。頼れる助っ人はフルカウントから甘く入ったカットボールを中前へ。2人の走者をかえす決勝タイムリー。2年連続の交流戦3連勝発進をもたらした。

開いた屋根から日が差し込んでいた初回には、バックスクリーンへ3戦連発となる先制12号2ランを放っていた。来日2年目で初体験の交流戦で、3戦13打数5安打の3発7打点と猛威を振るう。「事前の情報は少ないけど、グラウンドの中でどれだけ情報を集められるかがカギになる。試合中にも1球1球を見ながら、情報収集しています」。決勝打を打った左腕ロドリゲスにも「いいストレートを投げるのはベンチから分かっていた。準備はできた。自分に自信を持っていけた」。勤勉な姿勢と優れた嗅覚で、見知らぬ相手を苦にせずに打っている。

相棒デスパイネも3回に17号ソロを放ち、2戦連続のアベック弾。2人の本塁打そろい踏みは今季6度目で、昨年から無敗の7連勝となった。打線も3戦10本塁打と中日を圧倒。工藤監督は「本当に、グラシアルとデスパイネがよく頑張ってくれている。そこに回そうというチーム内の雰囲気がある」と助っ人コンビの活躍に目を細めた。

3連勝で楽天に並び、5月31日以来の首位に戻った。チームはこれまで12球団断トツの7度、最高勝率に輝いている。「交流戦の鬼」は今年も健在だ。指揮官は「最後まで息のつけない3試合。いい3連勝ができた」。勢いに乗ったまま、昨年日本一を決めた地、広島に乗り込む。【山本大地】

<ソフトバンク昨季の交流戦開幕3連勝VTR>

▼5月29日 甲子園で阪神との開幕戦。マメをつぶした千賀に代わって急きょ先発の岡本が4回無失点。その後も嘉弥真らブルペン陣を動員して無失点リレー。メッセンジャーを攻略できなかったが、9回にドリスから決勝点を奪った。加治屋がプロ初勝利。

▼同30日 2点をリードされるが、4回に3点を奪い逆転。1度は追い付かれるも、6回に塚田の1号と今宮の2ランで3点取り逃げ切った。先発石川が5回3失点で7勝目。

▼同31日 先発中田が8回途中まで2失点の好投。阪神秋山に7回1得点と抑えられたが、8回に2番手岩崎らをとらえ一挙4点。最後は森が締めて10セーブ。3連戦3連勝を飾った。