巨人岡本和真内野手がバットをポーンと放り投げた。感触は十分。大歓声より先に確信した。3点を追う8回1死一、二塁。ヤクルト近藤の3球目、143キロ外角直球を捉えた。4番の一振りは21号同点3ラン。最大7点差から試合を振り出しに戻す、起死回生の一撃。総立ちの自軍ベンチを横目にダイヤモンドへと駆けだした。

大逆転劇のど真ん中で暴れまくった。4点を追う6回は小川から右中間席へ20号ソロ。反撃ムードへと潮目を動かした。「逆方向にいいバッティングができた」と8日中日戦に続く2戦連発で勢いづけた。「自分が打っても試合に負けたら意味がない。チームの勝ちにつながるヒット、ホームランを打ちたい。それを続けていくことが大事だと思う」。若き主砲が7点差をひっくり返すサヨナラ勝ちをたぐり寄せた。

▼巨人が7点差を逆転勝ち。巨人の7点差以上逆転勝ちは91年6月21日大洋戦(8点差)06年7月15日ヤクルト戦(7点差)に次いで13年ぶり3度目。

▼岡本の1試合2本塁打は昨年10月9日阪神戦(甲子園=2打席連続)今年4月4日阪神戦(東京ドーム)に次いで3度目。右方向へ2本は初めてだ。巨人の1試合5本塁打は昨年8月18日中日戦(東京ドーム=5本)以来。