先週の「みんなの総選挙」で指導論を聞きたいパ・リーグの2軍監督1位に輝いた西武松井稼頭央2軍監督(43)の言葉を届けます。

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メットライフドームの選手紹介アナウンスが、西武第2球場まで聞こえてきた。1軍ナイターが始まる頃、イースタン・リーグを終えたばかりの松井2軍監督は、アナウンスを背に、選手に身ぶり手ぶりで指導。昨季限りで現役引退し就任し、悪戦苦闘しながら挑戦の日々に「あっという間に時間が過ぎていく」と監督1年目が終わろうとしている。

シーズン半ばを迎えた7月に言っていたことがある。「教えずに見ていることもある。見ないと分からないこともあるから」。2軍春季キャンプではあえて口を出さなかった。2軍戦でトライ&エラーし、反復練習で修正を1年間継続してきた。「言葉でどう伝えるか。身ぶり手ぶりもある。試してみてどうだったのか聞いて。照らし合わせて1つ1つクリアしていく」。選手の成長と同時に、アプローチも変わってきた。

1軍は白熱する首位攻防戦を演じている。今季新人と外国人選手を除いて、1軍デビューを果たした選手は野手5人、投手2人。特に、中継ぎの平良は救世主になりつつある。「1人でも多くの選手が1軍目指して向かってやっていくことが大事になる」。選手の台頭と、チームの底上げを願う言葉は、自然と熱を帯びた。【栗田成芳】