巨人丸佳浩外野手(30)が、チームメートも目を丸くさせる衝撃の「ツイスト打法」でチームを勝利に導いた。2点リードの4回1死一塁、新打法で右翼席へ25号2ラン。1回無死一、二塁には先制の左前適時打を放ち、3点リードの8回2死一塁では今季3度目の1試合2発となる26号2ランで勝負を決めた。2位DeNAとの天王山第3ラウンドで3安打5打点。優勝マジックを7とした。

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打った瞬間、丸の視線は打球方向の右翼ではなく、三塁側ベンチ方向を向いていた。「出だしはどこにいったかわからなかった。野手の動きを見てわかった」。2点リードの4回1死一塁。頭を残しながら、腰を逆回転させる「ツイスト打法」で右翼席中段にたたき込んだ。3点リードの8回2死一塁にも、新打法で今季3度目の1試合2発となる26号2ラン。3安打5打点で勝利を引き寄せた。

もがき、苦しんだ末にたどり着いた打法だった。9月は試合前の段階で2割7厘と不調。「バランスが良くなかった。普通に打ってても、打てないから」と打撃フォームの見直しを決断した。前回カードのヤクルト戦で阿部に自身の状態を相談すると「ツイストで打ってみたら?」と助言され、何度か試した経験のある「ツイスト打法」を本格的に導入した。

丸 見た目はあまりいい打ち方じゃないですけど。苦肉の策というか、わらにもすがる思いで始めた。

探求心と決断力は周囲に衝撃を与えた。優勝争い真っただ中のシーズン終盤。重圧とともに、疲労との闘いの中で新打法で不振を脱出した姿に、原監督からも「見事でしたね。やや調子が下降気味のところで修正してね。それを実戦でやり切っているのが素晴らしい」と称賛された。

2位DeNAとの天王山3連戦に勝ち越し、優勝マジックを7とした。大一番で新打法が結果に表れ「新しく見えてくるものがある」と丸。「マジックも1ケタになっていますし、今日のようにチーム一丸となって、優勝に向かって突き進んでいきたいです」と力を込めた。【久保賢吾】