日本ハム栗山英樹監督(58)が来季も続投することが2日、決まった。都内にある日本ハム東京支社で行われたオーナー報告の席で、畑佳秀オーナー(61)から1年間の契約延長の要請を受け、受諾した。来季で9年目となり、連続在任年数は球団最長となる。今季終盤には成績不振の責任を取って球団に辞意を伝えるなど、注目された去就問題が決着。20年は至上命題のリーグ優勝、日本一を奪回する。

   ◇   ◇   ◇

心の中で、ユニホームは1度、脱いでいた。栗山監督は神妙な表情で、来季続投の要請を受けた。

栗山監督 自分から1回、もう辞めたつもりなので。来年、ファイターズが勝つために、どう球団のみなさんが考えてくださるかを待っただけ。自分の中では1回、辞めなきゃいけないと思った。何日間かもしれないけど。

シーズン終盤に球団側に辞意を伝え、9月30日には川村球団社長へ正式に申し入れ。最終判断を委ねていたが、最後は畑オーナーから背中を押された。

畑オーナー 栗山監督といろいろ話をさせていただいて、次に向けての課題も明確になりました。来シーズンは巻き返しを図りたいところで、北海道日本ハムファイターズを本当に愛して指導していただいている、そして、よく分かって頂いている栗山監督に、チームを引っ張っていってもらいたい。監督で、お願いしたいと考えております。

栗山監督 しっかりやって、勝てるようにやっていきますので、よろしくお願いします。

気持ちは“新監督”として臨む決意だ。「自分の中では、12年に監督になった時以上に、思いを持って前に進む」。畑オーナーや同席した川村球団社長からは「ケジメをつける、責任を取るのであれば、来年勝つことも責任だろう」と言われたという。「それしかない。優勝します」と応えて、心の中で再びユニホームに袖を通した。覚悟は、決まった。

5位からの巻き返しへ、課題は山積する。先発投手陣の整備、長打力不足の解消、正三塁手の育成、若手のレベルアップに助っ人外国人の構成など。2年連続、夏場に失速したのも事実。全てを熟知し、フロント陣と一体となって取り組む指揮官だからこそ、来季も託された。

勝ちきるために、必要なモノは、何か。「今のラグビーにしてもそう。何か感じるものがある。あの感覚で、143試合やるっていう感覚。ケガしたりとか、疲れていたりとか、いろんなことがある。そんな簡単なものじゃないけど、オレは、あの子たちが優勝できると信じている」。栗山監督は、もう1度、信念を持ってチームを立て直し、重責を全うする。【木下大輔】