下克上の突破口を切り開く。大事なCS初戦を託された楽天則本昂大投手は「思ったより緊張感もなく、リラックスしている。(3位でCSに進み)怖いものは何もない」と、ゆったり構えた。

ソフトバンク千賀とがっぷり四つの勝負。今季圧倒的な数字で奪三振王となった相手エースが、昨季までタイトルを独占してきた自身の数字を念頭に置いていたことは知っている。「彼(千賀)はかなり意識していると思う。僕はそれをヒラリとかわすだけ」と軽やかに言った。

3月に右肘を手術。7月に復帰後は「(手術の影響で)体のメンテナンス的な部分で難しさがある」と漏らしたことがあった。もどかしい模索の日々すら糧とした。送り出す平石監督も「いろいろな経験をして、シーズン終盤には、ひと回りもふた回りも成長を感じた」と信頼は揺るぎない。

今季奪三振率はタイトルを取った2年目以降で最も低い8・87だが、バッテリーを組む足立は「安定感は(昨季までより)上がっていると思う」と新境地を予言する。2年前、同じ福岡でのCSファイナルステージでは、11三振を奪いながら敗れた。「期待に応えたい」。思いを背負ってマウンドに立つ。【亀山泰宏】