阪神から6位指名を受けた東海大九州キャンパスの右腕・小川一平投手(4年=横須賀工)が、苦難を乗り越えた大学時代のように、1軍へとはい上がる。5位までは全員甲子園を沸かせた高卒ばかり。激戦区神奈川で甲子園出場を果たせなかった右腕は「プロに行ったら甲子園に出た、出ない。神宮に出た、出ないは関係ない。その中で自分がどうできるのかが楽しみ」と、反骨心を見せた。

入学して直後の16年4月に熊本地震に被災した。グラウンドはなくなり、八代市や山鹿市などの球場を借り、現在は熊本市内の東海大星翔の球児たちが練習を終わった後の午後8時から練習している。3年秋には腰痛、4年春には不祥事でチームが出場停止と苦しい状況の中、藤川球児を目指して直球を磨き、プロへの道を切り開いた。「藤川さんにはなぜそんな直球を投げられるんですかと聞いてみたいです」と目を輝かせた。