九産大の変則右腕・谷口優成(ゆうせい)投手(3年=唐津商)が、独特の投球フォームで観客を沸かせた。

4点差をつけられた6回に4番手として登板。投球練習から、186センチの長身を一塁側へ反り返るフォームに、スタンドがざわついた。「投げづらさはあったが、気にしないで投げた」。初球に死球を与え、続く打者に右前安打を許し無死一、二塁のピンチをつくったが、バント失敗の捕ゴロ、二ゴロ併殺で1イニングを無失点に切り抜けた。

「悪いなりに抑えることができた」。クイックでも反り返る投法は生かしたまま。「大学に入ってちょっとしてからこのフォームに変わっていった。(打者の)タイミングが取りづらい。高校時代に背筋を測ったら200キロだった。自分はこの投げ方できつくはない」と自信を見せる。

大久保哲也監督(57)は「高校の時から彼の特徴。甲子園に出た時よりもさらに激しくなりましたが。ネットなどでは『マトリックス投法』とか言われているが、あれが一番投げやすい。(指導では)基本的にはいじらない。腕の振りを重視している」と話した。

4年生となる来季へ向け「体重が(76キロから)増やしてもっと大きくなりたい」と、最速143キロの変則右腕はさらなる成長を誓った。