時代に逆らう-。広島大瀬良大地投手(28)が11日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約交渉を行い、3000万円増の年俸1億7500万円で更改した。来季、球団の日本人投手最高年俸となったエースは沢村賞受賞を目標に、真の完投型投手を目指すことを宣言。来年は佐々岡カープ逆襲の旗手となり、東京五輪出場も狙う。

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穏やかな表情に、強い覚悟をにじませた。3000万増の1億7500万円で契約を更改。来季、広島の日本人投手最高年俸となった大瀬良が、時代に逆行する投手を目指すことを宣言した。分業制が色濃くなる時代に完投を求め、沢村賞獲得にも意欲を見せた。

「1度は取ってみたいタイトル。個人としてはそこを目指して頑張りたいなという気持ち。分業制になって中継ぎの負担が大きくなる。こういう時代に逆らうやつがいてもいいのかなって。中継ぎの負担が減る日になればいいと思う」

今季173回1/3を投げ、3年連続規定投球回に到達した。6完投は12球団最多。それでも満足はしていない。「投球内容が良ければ、もう1イニング投げられた試合もあったかもしれない。200イニングを目指してやってきた中で届かなったのはまだまだと痛感しました」。6回未満で降板した試合は5度あった。完投した次の登板は2勝2敗、防御率4・30と課題を残した。

体への負担を減らすため2段モーションからシンプルな投球フォームに変更し、球質向上に努める。「僕の投球スタイルでもある。もう1度自信のあるまっすぐを投げたい。理想は空振りが取れる真っすぐ、(阪神の)藤川さん」。被打率が昨年の2割1分5厘から2割6分6厘に悪化しただけに、打者が分かっていても空振りする「火の玉ストレート」を求めていく。

来年行われる東京五輪への強い意欲も示した。「目指したい場所ですし、まだまだあきらめていない。小さい頃に五輪の中継を見て、子どもながらにすごいなと思った。そのインパクトがすごかった。チャンスがあれば出たい」。代表選出のアピールへ、まずは広島で逆襲の旗手となる。【前原淳】(金額は推定)