球界現役最年長が異例のざんげだ。阪神福留孝介外野手(42)が12日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、2000万円減の年俸1億3000万円でサインした。会見ではいきなり「大山にもすごく迷惑を掛けた。彼が4番を打って頑張っている中で、僕がもうちょっと頑張っていれば楽にプレーがさせてあげられた」とまさかの謝罪の言葉が飛び出した。

今季は104試合に出場して打率2割5分6厘、10本塁打。5番で62戦、3番で36戦に先発し、クリーンアップで存在感を示した。ただ、両ふくらはぎ負傷などで出場選手登録を2度外れて5年ぶりに規定打席に到達せず。今季4番を任された24歳をアシストできなかった悔しさがにじんだ。

交渉の席でも後輩たちへの愛情があふれた。交渉役の谷本球団副社長兼本部長は「遠征先で気づいたことをいろいろ意見具申してくれた」と話した。2軍調整中は遠征にも参加した福留は、球場で提供されていた食事について改善点を提案。同副社長は「食育はかなり力入れている。よく見てくれている。さすがです」と早急に動くことを明かした。

外野のレギュラー奪取を狙う高山が福留、糸井を「押しのける」と宣言。福留は「いいことだと思う。高山もどんどん言っていけばいい。若い選手から超えたいと思われるようなプレーをしていかないといけない」と挑戦状は大歓迎だ。すでに日米通算2000安打を達成しているが、NPB通算2000本も残り103本に迫る。時には若手選手を守る壁に、時には若手の前に立ちはだかる壁に-。頼もしすぎる存在だ。【桝井聡】(金額は推定)