球団史上最多の開幕外国人選手8人体制となる虎が、レジェンド助っ人による強力サポート布陣を敷く。阪神は今オフ、メジャー通算92発のジャスティン・ボーア内野手(31)ら新たに外国人5選手と契約。バックアップ体制を整えるため、ジェフ・ウィリアムス、アンディー・シーツ両駐米スカウトが来年2月の春季キャンプ(沖縄・宜野座)を訪問することが判明した。

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リーグ優勝に貢献したレジェンド助っ人が、新たな虎戦士をサポートするべく、2月の沖縄・宜野座キャンプにやってくる。阪神谷本球団副社長兼本部長が異例の試みを明らかにした。

「シーツとウィリアムス。順番はジェフ(ウィリアムス)が先ですが、2月中旬には2人ともそろう形で、新しくやってきた外国人のサポートをしてもらおうと思っています」

駐米スカウトを務める両氏が春季キャンプを訪れるのは初という。ウィリアムス氏が2月5日から、シーツ氏が同11日から、それぞれ約2週間、沖縄に滞在する方向。阪神は今オフ5人の新外国人と契約を結ぶなど、来季助っ人8人体制をとった。谷本球団副社長は「橋渡し役ですね。こちらの習慣とか、それこそ配球とか、いろいろ戸惑う部分もあるでしょうから。練習自体も」と狙いを説明した。

投手の新助っ人は、メジャー全49試合救援登板のエドワーズ、27歳で伸び盛りのガンケル、前ソフトバンクのスアレスは日本球界の経験があるとはいえ、セ・リーグは初めて。野手ではメジャー92発のボーア、113打点で今季韓国球界打点王のサンズが加入。ウィリアムス氏は03年25セーブ、05年37ホールドで両年のリーグ優勝に貢献し、シーツ氏も広島から移籍加入した05年Vメンバーだ。日本球界について指南するには、もってこいの人材。球団は国際担当スカウト、通訳も1人ずつ増員し、万全のサポートを期す。

矢野監督は、新助っ人について「キャンプは1軍。2軍でやってもらうためにきてもらうわけじゃない」と語り、2月の宜野座キャンプに外国人8選手がそろう可能性もある。さらに、指揮官は「実戦も早めに出るような形になるのかな、とは想像している」と、オープン戦早期出場のケースも想定。20年のカギを握る助っ人衆の能力を引き出すべく、虎が一丸となってキャンプに臨む。【松井周治】

◆阪神時代のウィリアムス 03年に入団し、左腕からの変則フォームで一時代を築いた。1年目に25セーブで優勝に貢献。ダイエーとの日本シリーズでは松中、城島ら強打者を寄せ付けない好投を見せた。05年には藤川、久保田の台頭を受け中継ぎに回り、この2人と「JFK」を形成。球史に残る超強力なリリーフ陣で再びVの立役者となった。通算141ホールドはプロ野球9位タイ。

◆阪神時代のシーツ 05年に広島から加入した。古巣での遊撃から一塁へと移り、3番に定着。4番金本、5番今岡とクリーンアップを組んだ。同年7月26日巨人戦で3本塁打するなど爆発し、Vメンバーの一員となった。06年の180安打はリーグ2位と、安定感は抜群。また一塁守備でも卓越した捕球技術を見せ、引退する07年まで3年連続でゴールデングラブ賞を受賞した。