目指すは東京五輪だ。昨季、プロ野球史上初の300ホールドを達成するなど、2年連続の最優秀中継ぎに輝いた日本ハム宮西尚生投手(34)が4日、兵庫県尼崎市内にある母校・市立尼崎高で自主トレを公開。プロ1年目から12年連続で50試合以上に登板し、17年のWBC日本代表を経験した鉄腕は、夢の五輪出場を熱望した。

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自主トレを終えた宮西がこの日いちばんの笑顔を見せた。「今年大吉やから。全部思い通りになるみたいな文面だった」。年明け元日の朝一番に例年通り西宮神社で初詣。引き当てたおみくじは大吉だった。「ラッキーと思って財布にしまった」。昨年は末吉だったが、五輪イヤーの今年は新年早々、幸運に恵まれた。

思い出のグラウンドで決意した。「日本での開催は自分が現役の時では絶対にない。すごいチャンスなので目指したい」。自国開催となる今年の東京五輪へ率直な思いを明かした。昨季、球界史上初の300ホールドを達成し、2年連続で最優秀中継ぎに輝いた。通算700登板まであと16試合、通算350ホールドまであと13と節目の数字も迫っている。「まずは選ばれるためにもシーズンしっかりと投げて、結果を残して選ばれるように」と気を引き締める。

17年WBCで初めて日の丸を背負った。敗れた準決勝の米国戦など4試合に登板し、防御率0・00と安定感を見せた。「(前回は)地に足がついていないというか、フワフワしたような感じだった。(今回)選ばれたら、もっと落ち着いてできると思うし、その中でもう1回投げてみたい」と話す。

今年6月には35歳を迎える。体の変化も感じるが、この日も走り込むなど体をいじめた。今年の漢字1字には「耐」を選び「年齢的にもしんどくなってくる。ここで心が折れるとずるずると落ちちゃうから忍耐よね」と奮い立たせた。鉄腕がレベルアップを遂げ、13年目のシーズンに挑む。【山崎純一】

○…宮西がチームの若手左腕たちの奮起を期待した。自主トレ後の囲み取材で「堀、公文とかもそうやけど若い左の中継ぎ、その辺がもっと爆発的に存在感を示さないといけない時期に入ってきている」とハッパをかけた。その後で「俺はそれに負けないように」と自らを奮い立たせていた。