西クン、すごいで! 阪神ドラフト1位の創志学園・西純矢投手(18)が驚きの球質で度肝を抜いた。

新入団8選手が7日、兵庫・西宮市の鳴尾浜球場で自主練習を実施。前日6日に入寮した西純は、雨降るグラウンドでキャッチボールを披露。同期の選手からも伸びのあるボールに驚きの声が上がった。8日から始まる新人合同自主トレで、矢野燿大監督(51)のハートをわしづかみにする。

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シュルルル-。白球が音を立てて、降りしきる雨を切り裂いた。西純が投じるボールにグラウンドにいた関係者の目がくぎ付けになった。約40メートルのキャッチボールを、数十球。最速154キロ右腕は「まだそこまで強くは投げていないんですけど…」と困惑気味だったが、少し力を入れて体重を乗せたボールはさすが超高校級だ。相手のグラブに突き刺さるように収まった。

驚きの声を上げたのは、キャッチボール相手でドラフト6位の東海大九州・小川一平投手(22)だ。支配下ルーキーでは唯一の大卒選手も「自分がそんなに強い大学にいなかったので、そんなにすごい球を受けたことがなかったので…。高校生じゃないようなボールを投げていたので、すごいなと思った」と感嘆。真横で目撃した同3位で同学年の横浜・及川雅貴投手(18)は「いい投手というのは知っていますし、すごくいいボールを投げていた」とうなった。

有り余る力を存分に発揮する環境は整っている。前日6日に入寮を完了。「印象に残ったのはごはんがすごくおいしい」と喜んだ。前夜には寮の夕食で出されたすき焼きを同期のルーキーたちと囲んだ。一夜明けて鳴尾浜のトレーニング施設などを体験。「緊張とか、不安のなかでやっていたんですけど、練習しやすい環境なのでいい練習が出来た」と目を輝かせた。

高卒と言えども遠慮するつもりはない。派手なガッツポーズで甲子園を沸かせた右腕は、年明けに公開した自主トレで「開幕1軍」の目標をぶち上げた。8日からは新人合同自主トレがスタート。初日には矢野監督ら首脳陣も練習を視察する予定だ。「高校の時のこの時期は投げ込みとかをやってました。(ブルペン入りは)全然問題ないです」。100%の投球を披露する準備は早くもできている。【桝井聡】