目指せ、ポスト秋山!日本ハムの新主将に就任した西川遥輝外野手(27)が9日、沖縄県浦添市内で自主トレを公開した。元同僚で阪神の糸井や、昨年の「プレミア12」日本代表のオリックス吉田正ら、高い身体能力を誇る“超人”たちとの合同練習でレベルアップ。米レッズ入りで東京五輪出場が困難になった秋山の穴を埋めるべく、侍ジャパン入りを狙う。

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「死ぬ気でやります」。勝負の1年を迎えて、西川の目が鋭く光った。気温20度を超える沖縄で、ポール間走やダッシュなど、密度の濃いランメニューに明け暮れる。一緒に汗を流すのは、史上最年長盗塁王記録を持つ阪神の“超人”糸井、2年連続ベストナインで昨年11月の「プレミア12」にも出場したパワーヒッター、オリックス吉田正ら、そうそうたる顔ぶれだ。

中でも、昨年10月に左足首を手術したばかりの元同僚、糸井の姿には「すごいでしょ。ヤバイ。参考にならへん」と舌を巻くばかり。「トレーニングへの意識が高い。超野球小僧。吸収できるものは、何でも吸収したい」と刺激的な日々を送っている。

昨年末の契約更改で、将来的な米球界挑戦の思いを明かしたばかり。夢の実現へ、譲れないのが今夏の東京五輪での侍ジャパン入りだ。「プレミア12」でリードオフマンを務めた秋山が米球界へ移籍し、ぽっかり空いた「1番・中堅」の座。表向きには「何番でも、どこでもいい」と言っても、日本ハムの「1番・中堅」として、黙って見ているわけにはいかない。

スタートダッシュへ向け、例年は2月の春季キャンプから始めていた短いダッシュを、前倒しで開始した。米球界挑戦を視野に、長打力への意識も高める予定だ。「(五輪は)野球人口が減っている中で、一番目に留まる。全国に名をとどろかせたい」と意気込む。

ほぼ無休の今オフ。初詣で2度引いたおみくじは、いずれも「中吉」だった。「写真だけ撮って(調子が)アカン時だけ見直そうと思って。確か『安産』って書いてあったな。子ども生まれるのかな? と思って、俺から」と苦笑い。大きな野望を、実現できるか。新主将の20年が幕を開けた。【中島宙恵】

侍ジャパンに稲葉監督が就任して以降、最多10試合で「1番・中堅」だった秋山がレッズに移籍。東京五輪代表の「1番」「中堅手」は流動的となっている。

▼1番打者 秋山が故障で欠場した昨年のプレミア12では、内野手のヤクルト山田哲が5試合でトップバッターを務め、決勝の韓国戦では逆転V弾を放った。過去3度トリプルスリーを達成しており、昨季も33盗塁、35本塁打と攻走で実績十分。長打力を重視するならケガ明けのソフトバンク柳田も有力候補。所属先で1番を長く経験し、14、17、18年と3度の盗塁王を獲得している西川も候補に挙がる。

▼中堅手 プレミア12は巨人丸が全8試合で先発したが、ゴールデングラブ賞を4度受賞の柳田、17年から3年連続受賞中の西川も虎視眈々(たんたん)とうかがう。3選手いずれも左打者。今季開幕からの成績が選出のカギになりそう。