足も高評価!ヤクルトのドラフト1位、星稜・奥川恭伸投手(18)が9日、埼玉・戸田球場での新人合同自主トレ3日目に行われたランニングメニューで脚力を見せつけた。

「走ることは好きじゃない。苦手です」と話していたが、なんのその。河川敷に吹き荒れる強風の中、400メートルトラックで行われた1000メートルのインターバル走3本を、すべて1位でゴールした。1本目は断トツの3分12秒。2本目は、中盤まで同6位武岡の後ろを走っていたが、スルリと抜いて3分13秒。3本目も、他の選手は疲労の色が濃くなる中で顔色を変えずに3分13秒。長いストライドで飛ぶように走った。意識的に同じペースで走り、タイムも想定通り。「けっこう体が動きやすかった。できたら1位で走りたいので」と心の中で闘争心を燃やしていた。近年では17年の寺島も3本すべてで1位だったが、タイムでは5秒以上の差をつけて奥川に軍配が上がった。視察に訪れた高津監督は「いい走りをしていた。脚力もスピードもある。力強さも必要。投手にとって大事なこと」と目尻を下げた。

本来の投球でも、約40メートルのキャッチボールで、初めて球を受けた小山田ブルペン捕手を「伸びのある、回転のいいボールだった」と笑顔にさせた。第1クールを終えた右腕は「多少疲れはあるけど、まずは慣れること。これから強度の強くなる練習に耐えたい」と自主トレ期間を駆け抜ける。【保坂恭子】