阪神北條史也内野手(25)が10日、愛媛・松山市の坊っちゃんスタジアムでヤクルト山田哲らとの合同自主トレを公開した。

自身初の規定打席到達を目指す今季は、遊撃で開幕スタメンを狙う。矢野監督は「近本2番構想」を温めており、北條は1番起用に備え、準備を進める。リードオフマンの経験十分な山田哲から超一流の技術を吸収し、ヤクルトとの開幕戦で感謝の先制パンチをかます!

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北條が近本の「2番構想」に反応した。矢野監督が今季温めるプランで、実現すれば、1番打者が重要になる。遊撃のポジション争いを制した場合、経験のある北條もその候補になる。「出塁が一番、大事になってくる。その中で長打もあったり、(小技など)嫌なバッターに。近本が2番だったら(2人で)かき回したり、チャンスを作ってクリーンアップに、という役割は大事かなと思う」。その時に備えてイメージを膨らませた。

山田哲らヤクルト勢との松山合同自主トレが初日を迎えた。ランニングやキャッチボール、室内練習場での打撃練習など、精力的に動いた。今回で5年連続の参加。年を追うごとに山田哲に意見を求める機会も増えているという。「去年はだいぶ聞けたので、また今年も。1年たって、哲さんも思うことは変わると思う。そういう部分もいろいろ聞けたら」。侍ジャパンで先頭打者を務める山田哲は1番の経験も豊富。技術だけでなく、打席の心構えを吸収できる絶好の機会だ。「足」も必要な打順だが、「僕はあまり走らないキャラと思われている。そういう隙で(狙って)数が増えれば」と盗塁も積極的に試みる。

レギュラー定着の手応えはある。シーズン終盤にかけて先発起用が増え、CSファーストステージ第1戦で大逆転を呼び込む5打点の活躍を見せるなど、勝負強さを発揮。「緊張感あるところでプレーできたというのは、僕にとってプラス」。8年目を迎える今季は規定打席到達を目標に掲げている。「『今年こそやるぞ』という気持ちは、いつも以上にあります。オープン戦からアピールしないとダメ。そこで結果を出して、最初から出られるように」。木浪らとの遊撃争いを勝ち抜き、開幕スタメンをもぎ取る決意だ。

今季の開幕戦は3月20日、神宮でヤクルトが相手。「ちょっと特別な感情はありますけど、そこで最初のスタートダッシュ。勢いというのはチームとしても大事。ヤクルトのみんなにお世話になっているので、自分が出られたら」。恩返しの気持ちを込めて、大暴れをもくろむ。1番北條が先頭打者弾を打てば、小学生以来だという。師匠山田哲に感謝の先制パンチだ。【奥田隼人】

◆北條と山田哲との合同自主トレ プロ入り4年目の16年以来、今年で5年連続。前年の15年にわずか1試合ながら1軍デビューを果たした北條は、山田哲の打撃に間近で接し、タイミングの取り方、トップの力の入れ方などどん欲に吸収。同年122試合出場と一気にブレークした。昨年の自主トレでも「体が変わるという実感がある。短い間ですけど、きつい練習をしますから」と、キャンプ前の恒例行事としている。

◆矢野阪神今季の1番候補 争いを勝ち抜いた内野手が1番に座る可能性が高い。昨季、開幕1番の木浪は、近本に次ぐ24試合に1番で先発。遊撃のポジションとともに北條と争う。パンチ力が魅力の二塁候補糸原も候補。ベテラン上本は長打力と走力があり、1番に最適。俊足の植田も定位置をつかめば浮上する。

◆近本の2番構想 矢野監督は昨秋の安芸キャンプでの11月16日の紅白戦で、近本を2番に起用。近本も期待に応え、バント安打と重盗を決めるなど躍動感を見せた。試合後に矢野監督は「ドラッグ系のバントもそうだし、引っ張るとかおっつけるとか、そういうのを意図的にやっていってくれる形になれば、2番としてすごくいい」と期待を口にした。