大洋(現DeNA)、ヤクルトで監督を務めた関根潤三氏が9日午前9時45分、老衰のため都内の病院で死去した。93歳だった。法大から1950年(昭25)に近鉄に入団。投手として通算65勝、打者としても通算1137安打、59本塁打を放った。引退後は広島、巨人、大洋、ヤクルトと指導者を歴任。数々の選手を育てた。解説者としても穏やかな語り口で広く愛され、03年に野球殿堂入りしていた。

関根氏の足跡を写真で振り返るとともに、プロ野球関係者、担当記者らの悼む声をまとめた。


法大時代は投手として活躍 リーグ通算41勝

法大2年当時の関根潤三投手
法大2年当時の関根潤三投手
1949年秋、来日したサンフランシスコ・シールズ戦で好投した関根潤三
1949年秋、来日したサンフランシスコ・シールズ戦で好投した関根潤三

50年に近鉄に入団

近鉄パールズ時代の関根潤三
近鉄パールズ時代の関根潤三
近鉄パールズ・関根潤三(1950年撮影)
近鉄パールズ・関根潤三(1950年撮影)

57年に打者転向

1957年(昭和32年)打者に転向。
1957年(昭和32年)打者に転向。

65年に巨人で1年プレー

関根潤三がトレードで入団
関根潤三がトレードで入団
65年1月、逗子の正力松太郎邸での新年会で記念撮影。前列左から柴田勲、日本テレビ清水与七郎社長、川上哲治監督、正力松太郎社主、正力亨オーナー、後列左から広岡達朗、関根潤三、王貞治、金田正一、長嶋
65年1月、逗子の正力松太郎邸での新年会で記念撮影。前列左から柴田勲、日本テレビ清水与七郎社長、川上哲治監督、正力松太郎社主、正力亨オーナー、後列左から広岡達朗、関根潤三、王貞治、金田正一、長嶋

投手、打者としてオールスター通算5回出場

第1回オールスター練習で投球練習を行う近鉄関根潤三(1951年7月6日)
第1回オールスター練習で投球練習を行う近鉄関根潤三(1951年7月6日)
オールスターに出場した近鉄勢 写真前列左から小玉明利、関根潤三、後列左から竹下光郎、ミケンズ。中央は永江代表
オールスターに出場した近鉄勢 写真前列左から小玉明利、関根潤三、後列左から竹下光郎、ミケンズ。中央は永江代表

引退後は複数の球団でコーチ、監督を務める

大飛球を好捕した屋鋪要(右)を出迎える関根潤三監督
大飛球を好捕した屋鋪要(右)を出迎える関根潤三監督
言葉を交わす関根潤三監督(左)と高木豊
言葉を交わす関根潤三監督(左)と高木豊
広沢克実(右)に打撃指導する関根潤三監督
広沢克実(右)に打撃指導する関根潤三監督
ヤクルトの関根潤三監督(89年撮影)
ヤクルトの関根潤三監督(89年撮影)
ヤクルト監督時代の関根潤三氏(1989年4月14日撮影)
ヤクルト監督時代の関根潤三氏(1989年4月14日撮影)
長嶋一茂のヤクルト入団会見に臨む関根潤三監督(左端)
長嶋一茂のヤクルト入団会見に臨む関根潤三監督(左端)

03年に野球殿堂入り

野球殿堂入りしあいさつする関根潤三氏(03年1月10日)
野球殿堂入りしあいさつする関根潤三氏(03年1月10日)
野球殿堂入り会見で記念撮影をする左から衣笠祥雄氏、上田利治氏、関根潤三氏、川上哲治氏(03年1月10日)
野球殿堂入り会見で記念撮影をする左から衣笠祥雄氏、上田利治氏、関根潤三氏、川上哲治氏(03年1月10日)

解説者としても活躍

現役を引退した後の1966年(昭和41年)からはフジテレビ、ニッポン放送の解説者として活躍した。
現役を引退した後の1966年(昭和41年)からはフジテレビ、ニッポン放送の解説者として活躍した。
試合前、中日落合博満監督と談笑する関根潤三氏(08年撮影)
試合前、中日落合博満監督と談笑する関根潤三氏(08年撮影)
巨人対横浜 試合前、関根氏(左)と握手する原監督(2011年撮影)
巨人対横浜 試合前、関根氏(左)と握手する原監督(2011年撮影)
野村克也さん(左)と関根潤三さん(2015年撮影)
野村克也さん(左)と関根潤三さん(2015年撮影)

関根さんを悼む

最後の「粋人」関根潤三さん宴会疲れの頭で玉音放送

関根潤三氏「ほれた」長嶋茂雄氏に監督の座「譲る」

笑顔の裏で足踏みつけ?山下大輔氏の関根さん秘話

関根潤三さん穏やかさと鋭さ「変化見逃さなかった」

平松政次氏「200勝できたのは関根さんのおかげ」

平手に大声、短気な江戸っ子でもあった関根潤三氏

西本聖氏「最高の指導者でした」関根潤三さん悼む

小谷正勝氏「非常に博学…指導のルーツ」関根氏悼む

日本ハム栗山監督「本当の恩人でした」関根氏悼む

ヤクルト池山2軍監督「ブンブン丸の基礎」関根氏へ

DeNA田代コーチ「嫌みがない人」恩師関根氏悼む

長嶋茂雄氏「温厚でみんなに慕われた」関根さん悼む

関根氏は「コーヒーとケーキで野球話」山中正竹氏

篠塚和典氏「温厚な方」入団時に関根潤三氏から指導

関根氏は長嶋氏を評価、元大洋コーチの稲川誠氏語る

王貞治会長「昔の野球教えていただいた」関根氏悼む

日大三・小倉監督「思いきって」関根さんからの言葉

谷繁氏、関根さんから「褒められたことしかない」

日本ハム荒木大輔2軍監督「私の財産」関根氏悼む

吉田義男氏「江戸っ子で粋な野球人」関根さん悼む

山本浩二氏「優勝の基礎を築いてくれた」関根氏悼む

高田繁氏「本当に温厚」巨人で指導受けた関根氏悼む

高木豊氏「私は関根監督の作品のひとつ」恩師悼む

(順不同)


◆関根潤三(せきね・じゅんぞう)1927年(昭2)3月15日生まれ。東京都出身。日大三中(現日大三高)から法大に進み、投手としてリーグ通算41勝。49年には、来日した3Aシールズ相手に延長13回を投げ抜いた。50年近鉄入団。投手として65勝95敗の成績を挙げ、57年に突然自ら志願して打者に転向。65年に巨人で1年間プレーしたあと引退した。打者としては通算2割7分9厘、59本塁打。広島、巨人でコーチ、大洋(現横浜)、ヤクルトで監督を務めた。03年、野球殿堂入り。現役時代は173センチ、65キロ、左投げ左打ち。