ショートスターターの経験値が生きる。日本ハム武田勝投手コーチ(41)がオンライン取材に応じ、負担軽減を念頭に置いた投手起用に言及した。

25日、NPBから6月19日の開幕が正式発表された。今季のスケジュールは誰もが初体験となる未知の領域。「なるべく選手に負担をかけないようなローテを組みながら、状態のいい投手から使っていく方向になると思います」と青写真を描いた。

選手は約2カ月間の自主練習期間を過ごした。筋力が落ちないようにキープはできても、実戦勘や試合での出力に耐えうる肉体に戻すのは、簡単ではない。「選手も不安があると思いますけど、コーチ陣も不安がある」。6月2日からは練習試合が始まるが、先発投手は短いイニングから調整させ、開幕後もいきなり完投などの無理はさせず、段階を踏ませることになりそうだ。

そうなれば生きてくるのが、昨季の戦い方だ。先発投手が打者一巡をメドに第2先発に交代するショートスターター。負担を分散させながら戦うには、今季の開幕直後にも有効な手段になりそうだ。多くの投手を起用する必要性が出てくる戦術でもあるが、同コーチは「中継ぎ陣が、休む前と変わらず、状態はいいかなと思います」と、グループ練習を視察した際に、救援陣の状態の良さには手応えも感じた。「まずは、今できることをしっかりやらせる。そして、それをしっかり見極めることを徹底していきたい」。投手部門の木田、厚沢両コーチと連携しながら、投手陣の総力を結集して開幕ダッシュをはかる。【木下大輔】

○…武田投手コーチは、左膝蓋(しつがい)骨折から復活を目指す上沢の現状に太鼓判を押した。16日から始まったグループ練習で見た姿に「思った以上に状態がいい。球数もしっかり投げてくれている。開幕が遅れたことで、本人もしっかり落ち着いてケガと向き合ってリハビリしてくれたと思う」。今後については「コーチ全員と話し合って復帰のメドも決めながらいきたい」と具体的な1軍復帰戦の目標を立てる。