甲子園4本塁打の号砲は、3番ジェリー・サンズ外野手(32)の同点弾からだった。

1点を追う初回2死。九里の高めに入った変化球を逃さずとらえた。打球はバックスクリーンへ一直線。「待っていた球種だったし、しっかり自分のスイングをすることができたよ。良い角度で飛んでくれたし、最高の結果になってくれて良かったね」と会心の笑顔だ。

チームでは今季初の甲子園バックスクリーン弾。新設された「ユニチャーム バックスクリーンホームラン賞」の1号として、賞金100万円が贈られた。「チームの勝ちに貢献できるホームランだったと思う。そういう意味でもうれしいし、もちろん正直、個人的にもうれしいよ」。ダブルでハッピーな4号ソロ。5回2死三塁の場面でも4点目の左前適時打を放ち、2打数2安打2打点2四球の活躍。「いざ打席に立った時に余裕を持って立てている。それがやっぱり大きいかなと思うよ」。ボーアが臀部(でんぶ)の張りで2戦連続欠場する中、存在感が日に日に増している。

この日は、ファンがリクエストした曲を登場曲として使用。サンズは「FUNKY MONKEY BABYS」の「ヒーロー」で打席に立った。

歌詞の中にも父をたたえるフレーズがあるが、2度のお立ち台でもらった2つのトラッキー人形に加え、この日は100万円をゲット。連日プレゼントを持って家に帰るパパは、2人の息子にとって普段以上に格好良かったに違いない。

「いい歌に聞こえたよ。そんないい歌で、いい結果が出てよかった」。韓国キウム時代の昨季は、7月に月間最高打率の3割7分9厘を記録。さらに7、8月に月間最多タイの6本塁打ずつを放った「夏男」。暑くなればなるほど、サンズは輝きを増す。【磯綾乃】