今秋ドラフト上位候補の最速155キロ左腕・早大の早川隆久投手(4年=木更津総合)が日立製作所を相手に5回を投げ、2安打無四球10奪三振で1失点。会心の投球を見せた。

初回から150キロオーバーの速球を連発し、5者連続三振を奪った。4回まではノーヒットピッチング。5回に2安打を許し1点を失ったが、最後まで危なげない投球だった。この日の最速は152キロを記録し、日立製作所の和久井勇人監督(58)は「真っすぐとスライダーのキレがいい。ちょっと手が出ない。お見事ですね」と脱帽した。

それでも、早川自身の評価は厳しかった。「無失点に抑えないと、流れが変わってしまう。それがエースとしての役割」と、5回の1失点を悔やんだ。2死二塁から早大の先輩である三倉進外野手(25)に高めに浮いた真っすぐを捉えられ左越え二塁打で失点した。「中盤から後半にかけて高めに浮いてくるのが自分の弱点。ボール2個から2個半、アウトローに決まるのところが、アウトハイに決まる。ランナーが出ても低めを徹底していきたい。それを再確認できたのが今日の収穫」。それでも前を向き、エースとして、ドラフト上位を狙う左腕として、完璧を求めるプライドをのぞかせた。

そんな左腕を、この日は10球団17人のスカウトが視察した。ヤクルト小川淳司GMは「間違いなく上位候補。真っすぐも速いし、カットボール、スライダーと、本当に全部を兼ね備えた投手ですね」と高評価。すでにプロ志望届は提出しているが「意識することはない」と言い切る。「今はチームの勝ちにこだわりたい」。最後のリーグ戦で有終の美を飾るつもりだ。【保坂淑子】