ロッテは23日、清田育宏外野手(35)との契約解除を発表した。昨秋のコロナ禍での内規違反などで今年1月15日付で無期限謹慎処分に。5月1日付で解除され2軍戦にも出場したが、同21日に再び週刊誌に不倫疑惑を報道された。球団は事実確認の結果「球団ルールに反する行動を行っていた」と認定。プロ12年目を迎えたベテランの度重なる背信行為に断を下した。

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球団は「本人の反省の態度を考慮し」と説明し、無期限謹慎処分を3カ月半で解除した。現場に復帰した清田は、わずか2週間で再び内規違反を犯した。1月、最初の報道の時点で「解雇すべき」の声もある中で、雇用維持を決めた球団を裏切った。その決断が社会に「失敗」と映るのも当然だ。

記憶に残る光景がある。昨年、降雨ノーゲームになった無観客試合がある。屋根のないベンチ最前列で清田は1人、ぬれながら味方に声をかけ続けた。チームを思う気持ちや、相手が何を感じるかという想像力をなぜ、今回は出せず、むしろ不祥事を続けたのか。再び多くの人を振り回した。戦いの場に戻る資格など、到底なかった。

処分解除前日には球団を通じ「今後も反省の気持ちを忘れることなく、自分を律しチームの勝利に貢献していきたいと思います」と、今となっては空虚でしかないが、謝罪の言葉を重ねた。契約解除の23日は、本人の会見もコメント発表もなかった。報道された詳細の真偽や認否、清田本人の心中も明かされなかった。報道陣の代表取材に対応した球団の梶原広報室長は「いろいろと難しいことがあって、その辺のことを私たちが口にしていいかは難しいです」と話すにとどめた。河合オーナー代行や松本本部長による報道対応の予定も「(23日の)今の時点では(ない)」とした。

同室長は「球団の社会的価値も下げる行為」と処分理由の一端を説明した。その通りで、清田の騒動をめぐってはネット上を中心に厳しい声も依然多い。時が解決する、になるのだろうか。誰もが納得しての終わりは難しいにしても、トップが説明するのも1つの方法ではないだろうか。【ロッテ担当=金子真仁】