阪神の首位快走を引っ張る佐藤輝明内野手(22)が、G倒弾を“予告”した。18日からの再開リーグ戦でいきなり2位巨人と甲子園で激突する。リーグ4位の16本塁打でシーズン38発ペース。だが、セ・リーグ球団で唯一、巨人戦で本塁打がない。それでも、規格外新人は力強い言葉で“予告”した。「一番欲しいのがホームランですし、それを打てるように自分のスイングで振っていきたい」。これまで数々の有言実行弾を決めてきた背番号8だけに、実現の期待がふくらむ。

2位巨人とヤクルトを7ゲーム差に引き離すが、油断は一切ない。「負けられない戦いだと思う。チームが勝てるように、いつも通り僕のプレーができるようにやっていきたい」。

巨人戦は9試合で打率2割8分6厘と相性は悪くない。阪神-巨人2000試合の5月15日には、4番で3二塁打3打点。「伝統の一戦」で新人4番の3安打は巨人長嶋以来、3長打3打点は史上初という離れ業をやってのけた。今回は5番に打順を移して初の巨人戦。目指すはゲーム差を8に広げるG戦初アーチだ。

この日は甲子園で練習を行い、決戦に備えた。「バッティングを見つめ直したり体を整えて、またいいプレーができるように過ごしました」。交流戦後4日間のプチブレークを有効に使えた様子。球宴ファン投票の中間発表では、ついに30万票を突破。全体得票は前日ソフトバンク柳田に抜かれたが1日で抜き返し、1366票差をつけて12球団トップを走る。「注目してもらえるのはすごいありがたい」と感謝を胸に、球宴までの24試合を走り抜く。

矢野監督も巨人3連戦に慢心はない。「去年のチャンピオンチームでずっとライバル。最初にそういうチームと戦える緊張感もある。自分たちの野球をやることが大事」と引き締めた。巨人には9年連続負け越し中だが、今季はここまで5勝4敗。どっしり構え、宿敵を突き放す意気込みだ。

18日は「医療従事者支援ナイター」。試合前練習では医療従事者への感謝を伝える青色のTシャツを着用し、試合中は通常のキャップの一部を青色に変えて試合に臨む。甲子園が青に染まる1日。佐藤輝らの「青虎」が、会心のG倒を決めにいく。【中野椋】