首位阪神のドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が偉大な先人に並んだ。ヤクルト戦の4回に高梨から同点の20号2ラン。1946年に戦後の大ヒーロー「青バット」の大下(セネタース)が記録した新人左打者の最多本塁打に並んだ。7回の守備では右翼から二塁へストライク送球で打者走者の青木を仕留めた。攻守でハッスルしたが、試合は8回に勝ち越された。勝った2位巨人に再び1・5ゲーム差に迫られた。
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虎の怪物ルーキーがまた1つ、歴史に肩を並べた。2点を追う4回無死一塁。高梨の1ストライクからのフォークにやや体勢を崩されながら芯で捉えた。低めの甘い球ではなかったが、右膝を折りながら最後は右腕1本ですくい上げ、低い弾道のまま右翼席へ運んだ。12試合ぶり、二保の黒星を消す同点の20号2ラン。ベンチ前では前カードの広島戦から導入された「阪神メダル」を初めて贈呈され、「早い回で同点に追いつくことができてよかった。ようやく自分もメダルをつけることができてうれしい」とその味をかみしめた。
高梨には6月30日の前回対戦でフォークに2度、空振り三振を喫した。この日も初回にフォークを脳裏に植え付けられ、直球に立ち遅れて空振り三振。同じ相手に何度もやられるわけにいかず「しっかり自分の打撃に集中していました」とリベンジに成功した。これで新人左打者では46年大下(セネタース)の最多本塁打に並んだ。終戦直後のプロ野球で赤バットの川上(巨人)に対して「青バットの大下」と呼ばれた通算201本塁打の大打者。打つたび先人たちの歴史的記録を掘り起こし続けるルーキーは「もっともっと上を目指して頑張っていきます」と強く口にした。
矢野監督は「新人で20本はすごいこと」と褒めつつも、本塁打を除く3度の空振り三振を指摘。「疲れも出てくるし、相手がこうやって攻めてくる。そういう中でバットに当たらない三振が増えている。ここをなんとか乗り越えてほしい」。新人とはいえ、中軸を担う大砲に期待を込めて背中を押した。
佐藤輝は7回の守備で青木の右翼線への打球でクッションボールをスムーズに処理し、反転して「刺すつもりで投げた」とノーバウンド送球で二塁を狙った青木を仕留めた。攻守で存在感を示したが、勝利に結びつかず悔しさと責任感をにじませ、言った。「もう1本打たないと。あと1本打てたら勝てていた試合。自分の反省点として明日以降やっていきたい」。前半戦は残り7試合。勝っても負けても歩みを進めていく。【前山慎治】
▼ルーキー佐藤輝が20号。新人で20本塁打以上は03年村田(横浜)以来17人目。新人の最多本塁打は59年桑田(大洋)86年清原(西武)の31本だが、左打者では1リーグ時代の46年大下(セネタース)に並ぶ最多本数。チーム77試合目で20号到達は、58年長嶋(巨人)の89試合目を抜き、59年桑田の60試合目に次いで2位のスピード。
▼佐藤輝が3三振を喫し、通算112三振となった。阪神の新人では、19年近本の110三振を超え、最多となった。なおプロ野球新人最多は99年福留孝介(中日)121三振。
▼佐藤輝は、阪神の新人最多の69年田淵幸一22本塁打にあと2と迫った。現在のペースを維持すると、年間37本塁打となる。プロ野球新人最多の59年桑田武(大洋)、86年清原和博(西武)各31本塁打の更新も十分に可能だ。



