巨人鍵谷陽平投手(30)が、地元凱旋(がいせん)登板を果たした。

1点リードの7回、5番手で登板。場内アナウンスで名前が告げられると、ファイターズファンが多数占めるスタンドから、大きな拍手が起きた。先頭大田に二塁打を許したが万波、石井と後続を断ち、2死三塁で降板。6番手の高梨が代打の代打・郡に同点の適時三塁打を浴びて2/3回を1失点となったが、「先頭打者に安打は打たれましたが、そこから粘って2死までいけた。あそこで先頭をしっかり抑えるのを次はしっかりやっていきたいし、やらなきゃいけないなと思います」と前を向いた。

球場から車で約30分に位置する、北海道亀田郡七飯町(ななえちょう)出身。この日のマウンドは少年野球の決勝戦などで使用されるが、少年時代に立つことはできなかった。「(前所属の)ファイターズの時に投げているので5、6年ぶりですかね。久しぶりです。小さい頃はここで野球をやりたかったのにできなかったのが、プロになってできた」。鍵谷にとっては、プロのマウンドよりも先に憧れた場所が、このマウンドだった。

前半戦では巨人のブルペン陣を支え、欠かせない存在として故郷に戻ってきた。「地元で久しぶりにプレーしたっていうのは、あれ(良かった)ですね」。9日の同戦を終えると、13日の中日戦(東京ドーム)から後半戦の幕が上がる。「先頭をしっかり抑えて有利にいければ、何の問題もなかった。次はしっかりと先頭を抑えていきたいなとは思います」。地元の空気を目いっぱい吸い込み、今季37試合の登板で疲れた心身も整え、リーグ戦3連覇を目指す戦いの舞台に戻る。