8年前、大谷翔平のルーキーシーズンに起こった一触即発の大ピンチ。当時の緊迫した様子を写真と証言で振り返ります。写真企画「袋とじ」、無料会員登録してご覧ください。
抜けた152キロが直撃
突然の出来事だった。2013年6月18日、大谷翔平プロ初の投打同時出場に沸くマツダスタジアム。3回裏の1死二、三塁。大谷が「抜け球です」と振り返る152キロの直球が、広島エルドレッドの左手を直撃した。
ヘルメットぶん投げ、詰め寄る巨漢
慌てて帽子をとり謝る大谷。一方、エルドレッドは激高。鬼の形相でヘルメットをたたきつけ、マウンドに詰め寄ろうとする。場内が凍りついた。
謝る大谷 駆けつけたのは・・・
18歳ルーキーをにらみつける196センチ126キロの巨漢助っ人。両軍ベンチから飛び出す事態に。当時40歳で一塁にいた稲葉篤紀は真っ先に、大谷のもとに駆け寄り、守るようにポジションをとる。
両軍ベンチを飛び出した
プロで初めて経験するひりつく場面、大谷は驚きの表情を浮かべるも「前に稲葉さんがいてくれたので、安心感がありました。(動揺は)なかった」。
荒々しくスライディング
激怒したエルドレッドだったが、周囲になだめられて一塁へ。直後に猛スライディングで相手を吹き飛ばすなど、騒動を引きずったような荒々しさを見せた。
試合後、エルドレッドは「十分に球を見たとは言えないがいい投手だと思う。球速もありボールに力があった」と、左手に受けたの衝撃を思い出すように話した。
身をていした稲葉は「(大谷を)守らなきゃダメ。外国人選手に向かってこられたら、怖いに決まっている」。187センチ、111キロと体格のいいアブレイユも「そういう状況になれば、チームみんなで助けたい」と親衛隊役を買って出た。