阪神にドラフト5位で指名された亜大・岡留英貴投手(4年=沖縄尚学)が、2点を失いながらも、粘り強い投球で7安打8三振。リーグ戦初完投勝利を挙げた。

力強い真っすぐとキレのあるスライダーで緩急をつけた。西武に3位指名された古賀悠斗捕手(4年=福岡大大濠)との対決で真っすぐを4回に中越え二塁打にされたが、その後は横回転のスピンの効いたスライダーでフライアウトに打ち取った。「特別な思いはありませんでした。『しっかり外に投げきる』と捕手と話しました」とクイックで間合いを取り、巧みにテンポを変えて的を絞らせず「ドラフト指名対決」を制した。

9月27日の日大戦では先発し8回を投げながらも、9回に降板。逆転を許し、サヨナラ負けを喫した。岡留は「前は最後まで投げきれなかった。今日はよかったです」と安心した表情を見せた。スタンドからは阪神の永吉編成ディレクターが観戦。「本塁打は打たれたが、安定して抑えている。真っすぐもいいけど、変化球も苦にせず投げている。こういう変則タイプはウチにはいないので、中でも頭でもいけそう」と期待した。

チームは首位の国学院大と、来週、直接対決を控えている。岡留は「優勝をするためには落とせない試合。勝ちにこだわって投げました」とドラフトよりも、まずはチームの勝利を優先。生田勉監督(55)は「最後、国学院大戦でしっかり投げたら、何かごちそうしてあげます」と話すと、岡留も笑顔。ご褒美の食事を約束した。