6年ぶり8度目のリーグVへ、燕がもう1度上昇気流に乗る! ヤクルトが巨人に競り勝ち、優勝マジックを2とした。

4回に塩見泰隆外野手(28)の32打席ぶりの安打から打線がつながり、“チーム一丸”で一挙6点を先制。追い上げを振り切って、引き分けをはさんだ連敗を3で止めた。本拠地神宮のファンとともにつかんだ5試合ぶりの大きな1勝。最短で26日に歓喜の瞬間が訪れる。このまま、優勝は譲らない。

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これが燕の力だ、意地だ。連敗のトンネルを、全員の力を合わせて抜けだした。高津監督は「結果がすべてなので。反省しないといけないところはたくさんあったし、良かったところもたくさんあったけど、勝ててホッとしています」と言った。

試合前の声出しで、まさに“チーム一丸”になった。選手会長の中村が前に進み出ると、つば九郎とともに全員が肩を組み、異例の円陣をつくった。前回優勝した15年シーズンの9月27日巨人戦(東京ドーム)で、当時現役だった松元打撃コーチが発案。この試合を2-1で勝ち、マジック3を点灯をさせた縁起のいい円陣だった。6年の時を経て復活した“輪”の中心で中村が「走塁も打撃も守備も、すべていいイメージを想像してやっていきましょう」と号令をかけた。

デーゲームで2位阪神が勝利し、負けられない一戦。全員の気持ちは1つだった。0-0で迎えた4回、先頭の塩見が三塁手強襲の内野安打で出塁した。巨人戸郷からの、この日チーム初安打は自身にとって12日中日戦での14号ソロ以来、32打席ぶりのヒット。ベンチに向かって見せたホッとしたような笑顔にチームメートが応え、この回打者一巡で一挙6点を奪った。

引きずっていた後悔が、やっと吹っ切れた。21日の広島戦。塩見の後逸など守備の乱れも響いて敗れた。打撃不振も重なり、沈んでいた。そんな雰囲気を察したベテラン青木が、選手を集めてミーティングを行い、伝えた。「止まるな」。負けても、明日は来る。暗くなっても、何も変わらない。「野球だからミスもあることだろうし。小さくまとまらないようにやっていこうと伝えた」。いい時はみんなで喜び、悪い時はみんなで支え合う。7日ぶりの勝利。全員が前を向いている燕は、強い。【保坂恭子】

▽ヤクルト高津監督(塩見の32打席ぶりの安打での出塁に) 3回まで(戸郷に)ぴしゃっといかれていたのでちょっと嫌なムードだったんですけど、塩見が先頭で出塁するというのが大きい。ヒットが大きかった。

▽ヤクルト村上(4回に先制の適時打を放ち) ワンチャンスをものにできたのは、すごくよかった。なかなか勝てず、すごくプレッシャーを感じたし、なんとかしたいという気持ちはあった。明後日からまた頑張りたい。