2位ロッテがCSファーストステージを1勝1分けとし、オリックスとのファイナルステージ(京セラドーム大阪)進出を決めた。1点を追う対楽天第2戦の7回、足を痛める主砲レオネス・マーティン外野手(33)が特大弾で追いつき、ファイナル前に勢いに乗った。山口航輝外野手(21)もリーグ最年少のポストシーズン本塁打を含む3安打2打点。若き大砲候補は、去年のCSは寮でテレビ観戦していた。苦悩と血のにじむ努力に「潜入」する。

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左の手のひらはどんな感じに?-。試合後の山口に頼むと「今めっちゃ手汗かいてます」とふいてから差し出してくれた。「ちょっと治ってきました!」。皮がめくれた跡に、新たな皮膚が固まりつつある。

シーズン終了直後の11月1日、安田らとのミニキャンプが始まった。1日1000スイング。「まじできつかったっす。1日目でむけました、べろんと。めっちゃ痛いっす」。強烈にしみるから、入浴時はビニール手袋を装着。テーピングはぐるぐると5周ほど。バットを持つのは「まだ素手じゃ痛いです」。その中で2戦で4安打した。

「情けない成績だったので、本当に、自分のためにと思って」

藤原恭大外野手(21)と同期のプロ3年目。開幕戦で5番スタメンに抜てきされながら、シーズン最終戦で3安打し何とか打率2割台に乗せた。本塁打は9本で「(今日のを)足して10本です」。春先に得意の俳句キャラで売り出した。低調に加え、お立ち台のタイミングが合わず、この日の「秋の夢 心はひとつ 日本一」も久しぶりの披露。お蔵入りとなった作品も3つか、4つか。

去年のCSは寮の食堂のテレビで見た。「恭大や安田さんが、若くして1軍の舞台で活躍していて…」。負けじと奮起し、同じようにもがく立場には並んだ。「こういうしびれるCSの場面で出していただいて、本当に感謝しています」。 期待に応えて初球をセンター前、粘ってレフト線二塁打、豪快にライトへ本塁打。大一番でやってのけ、短期決戦のラッキーボーイになりつつある。「若い選手が勢いづけるのって、必要だと思うんで。自分もそういう1人になれればいいなって思います」。痛くても、笑うためには振るしかない。【金子真仁】

◆CSファーストステージ シーズン2位と3位が3試合制で対戦し、勝利数の多い球団がファイナルステージに進出。引き分けを除いた勝利数が同じ場合は2位球団が勝者。延長戦は行わず、同点の場合は9回打ち切りで引き分け。9回表終了時や9回裏の攻撃中に後攻のステージ勝ち上がりが確定した場合、その時点で終了する。