ソフトバンクの昨年ドラフト1位、井上朋也内野手(18)が12日、宮崎秋季キャンプで、特別チームアドバイザーを兼務する王貞治球団会長(81)から熱血指導を受けた。「王イズム」を注入された若き大砲候補が、2年目の来季、1軍争いに割って入る。

異例の光景だった。井上が打撃ケージに入ったフリー打撃中、王会長がおもむろに打撃投手を制し、投球をやめさせた。投手と打者のちょうど中間くらいの場所まで歩き、ノックバットで地面に1本の線を引いて指導。フリー打撃を終えると、今度は大きな打撃ネットに向かって、井上に何度もスイング後のバットを放り投げさせた。

井上は「後ろがちょっと大きいので、後ろは小さく前を大きくというイメージで教えていただきました」と説明。前に目標を置いたり、バットを投げることで、大きなスイングを意識させる狙いがあったようだ。この日だけではなく、今キャンプでは初日から何度も助言を受けており、井上自身も「見た目的にはそんなにびっくりするほど変わりはないと思うんですけど、自分の中では180度くらい変わっているイメージがあります」と変化を実感している。

花咲徳栄からドラ1入団した1年目の今季は、2軍で45試合に出場し打率2割4分6厘、3本塁打だった。「まだ2年目だからとよく言われますけど、それは関係ない。チャンスがあれば1軍の人たちにしがみついていきたい」と力強く言った。【山本大地】