輝よ奪い取れ! 阪神矢野燿大監督(52)が24日、来季は近本光司外野手(27)以外のレギュラーは白紙と明言した。「競争が本当に激しい。どこでもチャンスあるし、誰がどう出てきてもおかしくない」。大掃除で近くを通った近本に視線を送り「うちで言えば」と、来季野手陣のポジション確定は中堅だけと話した。

当然、佐藤輝明内野手(22)もレギュラーを奪い取りにいく立場に置かれる。1年目の今季はチーム最多の24本塁打を放ったが、後半戦は59打席連続無安打など大不振に陥り、2軍落ちも余儀なくされた。まさに来季は出直しのシーズン。もちろん佐藤輝の復調なくして、優勝には近づけない。改めて奮起を促すハッパだ。

藤井康1、2軍巡回打撃コーチの「4スタンス理論」の指導に基づき、この日のフリー打撃でも快音を連発。佐藤輝は「この先もやっていきたい。すごい打球も飛ぶようになったし、いい打球がいっている。自分に合った動きというものを教えてもらった」と、手応えを感じている。この日で秋季練習は終了したが、佐藤輝ら若手は26日から3日間、鳴尾浜で補習に励む。「まずはしっかり膝を治して、(春の)キャンプに向けてという感じです」。左膝痛でまだ守備や走り込みはできないが、競争に勝つ戦闘ボディーを作り直す。

矢野監督は主砲大山や盗塁王の中野でさえ、来季レギュラーは白紙の方針だ。「固定は楽だけど今のチームでは競争でいいんかなと」。複数ポジションも視野に、激しい身内バトルで底上げを期す。【石橋隆雄】

○…藤井1、2軍巡回打撃コーチが、佐藤輝にオフの「宿題」を出した。4スタンス理論のタイプを「A2」と誤診したため、正しい「B1」ではまだ2日間しか練習できていない。「自分が手応えを感じているのであれば、それを続けること。しっかりやり込んでおけば、より動きがよくなる」と個人でできる練習法を伝えた。ティー打撃時に自身の重心を入れ替える方法などで、自助を求めた。