テルには負けん! 阪神の22年対外試合1号は大山悠輔内野手(27)だ。

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2点ビハインドの3回。カウント2-2から昨季までの同僚右腕、谷川の138キロをとらえた。左翼に低い弾道のまま打ち込むインパクト抜群のソロ弾。思わず新庄監督も「いいホームランだった」と絶賛した。もちろん本人も「すごくいい感触で打てた」と会心の笑顔だ。

「3番三塁」で出場。4番は佐藤輝に譲った。和製大砲同士による大注目の4番争いだが、秘める思いは少し違う。「何年も言わせてもらっていますけど、打順じゃない。8番でも4番でもチャンスは回ってくる。(打席で)どういう仕事、どういう打撃ができるか」。

その点、満足はできない。本塁打の前に2球を打ち損じてファウルにした。「1発で仕留めるところも課題。日々の積み重ね。辛抱強くやっていきたい」。公式戦がそう甘くないのは、プロ生活5年で身に染みている。矢野監督によると、今キャンプは打席での感覚に少し迷いがあったという。「今の悠輔の気持ちからしたら『あっ、これでいってみよう』ってなると思う」と指揮官もきっかけになる一撃と評価した。

佐藤輝ともう1つの争いになる三塁守備では、ダイビング捕球でさばく好守も見せた。ライバルは外野が基本線だが、今キャンプで三塁の守備練習に力を入れ、この日も自身の交代後に軽快なグラブさばきを見せた。簡単には譲れない。攻守にわたって最高の滑り出しとなったが「大事なのは今じゃない」と引き締めた。戦いは始まったばかりだ。【柏原誠】

▽阪神藤井康雄1、2軍巡回打撃コーチ(大山について) (本塁打の前に)レフトにとんでもないファール。インハイのボール球を前でさばけた。あれが評価できる。彼の場合、詰まるのはあまり良くない。(ソフトバンク)王球団会長が昔、フリー打撃で右打者は、左翼にとんでもないファウル打つぐらいのイメージで打ちなさいと言っていた。大山にもそのまま話した。

▽中日金子スコアラー(大山について) 自分の得意なコースをしっかり仕留めて、あそこまで持って行くのは、大山選手らしい。