由伸止めた! ソフトバンク石川柊太投手(30)が、7回2安打無失点の快投で今季初勝利。レギュラーシーズン18連勝中だったオリックス山本に投げ勝った。右足首のコンディション不良から2週間ぶりの復帰登板。現在もテーピングで患部を固定するなど万全ではない中、10三振を奪った。チームの連敗は2でストップ。首位楽天の背中に、ゲーム差「マイナス0・5」でピタリとついた。

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2点の援護をもらった6回裏、石川が一段とギアを上げた。先頭の代打後藤、3番吉田正をパワーカーブで連続三振。「2点を取ってもらったのがすごく大きかった。あれが1点だったら、全然違いました」。打線の奮起を力に変えた。7回2安打無失点で10奪三振。レギュラーシーズン18連勝中だったオリックス山本に、投げ勝った。

右足首のコンディション不良から2週間ぶりの復帰。現在もテーピングで患部を固定する。4四球を与えたが、粘った。2回1死満塁で、若月をカットボールで遊ゴロ併殺。「カットボール、内野ゴロ、お願いします、みたいな。結果、狙って」。万全ではなくとも、思い通りの投球を披露した。

今オフ、自身の野球観を吐露した日があった。「沢村賞を取ったとしても、また来年も続けないといけないと思ってしまう。結局、僕は満足する時って来ないのかな」。満ち足りた気持ちとは、投手でいる限り無縁かもしれない。「もし(21年の)山本君くらいの成績を残すことができたら、次の年も同じことを続けないと評価が下がってしまう。僕はそんなことばっかり考えてしまう」と明かした。

この日は昨季の沢村賞右腕と初めて投げ合い、勝った。それでも試合後は「良ければ次、次という感じ。この感じで次も投げられれば」と淡々。今季初勝利でも、安堵(あんど)はしない。

敵地での仁王立ちが続く。これで17年4月29日の京セラドーム大阪初登板から、中継ぎを含めて15戦で4勝無敗。「山本君に勝ったというのが、チームにとって勢いづくことがある」と、腕まくりした。連敗を2で止め、首位楽天にはゲーム差「マイナス0・5」で迫る。オリックスの無敵のエースは、ソフトバンクが食い止めた。【只松憲】