阪神が球団史上初、代打逆転満塁弾を放って敗れた。2点を追う4回1死、代打小野寺がDeNA坂本から1号満塁弾。ところが、2番手馬場が4回に1点、続投した5回に暴投、適時打2本で3点を失い、再逆転を許した。6回裏無死一、二塁で降雨コールドゲームとなり、今季3度目の4連敗。「横浜銀行」と例えられた敵地DeNA戦でも勝てず、ビジターは12戦全敗。借金は最多16で、再びセの借金を全て抱えた。

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どうやっても勝てないやん…。弱り切った阪神が横浜の雨に打たれた。5-7の6回裏無死一、二塁で雨天中断。29分が経ち、そのままコールドゲームとなった。天にも見放された泥沼の虎。ベンチから雨を見つめた矢野監督の口からは「俺も歯がゆいよ」と本音がポロリとこぼれ落ちた。息を吹き返すような激勝ムードが暗転。負の数字がどこまでも連なっていく。

お祭り騒ぎだった。2点を追う4回。1死満塁から小野寺が左翼席へ雨を切り裂くアーチをかけた。代打逆転満塁本塁打-。今季無安打だったムードメーカーの一撃に、静まりかえったベンチもドッと沸いた。「ベンチで何も出来ず歯がゆい気持ちだった」という男が、ヒーローになるはず、だった…。ところが、5回に2イニング目を任せた馬場が、逆転を許すまさかの悪夢。代打満塁本塁打は球団通算17本目だが、チームが敗れるのは初めて。この展開でも勝てない。それが今の現状だ。

打線改造も勝利に結びつかない。前日20日まで3番だった近本を7試合ぶりに1番に戻し、佐藤輝をプロ初の3番に据えた。ところが、得点は抜てきされた2番熊谷の先制犠飛と代打小野寺の満塁弾。レギュラー陣のつながりの悪さは相変わらずで、矢野監督の悩みも深い。「打線のつながりが見えないので打順を変えたりしてるんやけど、なかなかうまくいかんね」とため息交じりだ。

首位巨人が広島を破り、12・5ゲーム差まで広がった。早ければ29日に自力Vが消滅する可能性がある。「みんな必死でやっている。でも中心で出ているやつらが引っ張っていくのが一番大事なこと。スタメンで出るのはある程度、責任がある。もちろん、引っ張ってもらわないと困る」。指揮官はレギュラー陣の奮起を促した。大得意のハマスタでも負のスパイラルを断ち切れず。このまま転がり続けるしかないのか。【桝井聡】

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▼阪神がDeNAに3連敗。DeNAとの同一カード3連戦3連敗は、21年6月25~27日以来。横浜での3連戦3連敗は、07年9月24~26日以来15年ぶりだった。

▼阪神は3勝19敗1分けの借金16となり、DeNAが勝って勝率5割に戻したため、阪神がセ・リーグの借金をすべて背負う形となった。リーグの借金独り占めは8日、10日に続いて今季3度目。