投のヒーローは3年ぶり2度目の完封を決めた青柳晃洋投手(28)だ。左打者を6人並べたヤクルト打線相手に初回に2死満塁のピンチを背負ったが、長岡を空振り三振に斬ってペースをつかんだ。ヒーローインタビューでは「しびれました」と喜びを爆発させた。

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勝負の分岐点は6回だった。2番青木に右翼線二塁打を許して3番山田。丁寧にコースを投げ分けてファウルでカウントを整え、最後は外角低めのツーシームで空振り三振。続いて村上だ。昨季3本塁打で打率5割3分3厘の天敵だが、臆することなく2-2から強気に内角を攻めて空振り三振。受けた梅野も「いやぁ、今日は本当、言うことない。自分の中ではイメージ通りできた」と絶賛する完璧な投球だった。

「山田選手を三振に取った後、梅野さんがしっかり勝負していくぞと。梅野さんの配球通りに任せた結果三振に取れた。バッテリーで切り抜けられました」

その後も危なげなく、9回3安打124球の力投。27個アウトの内、ゴロアウトは17個と青柳らしい投球が光った。完封は19年4月29日の中日戦以来。「完封ももちろんうれしいですけど、連敗中だったのでチームが勝てたのが一番うれしい」とかみしめた。

自身のコロナ感染で開幕投手は断念したが、今月15日の巨人戦で復帰。8回1失点でチームの連敗を6で止めた。この日、再び4連敗で巡ってきたマウンドだったが、昨季の最多勝右腕らしく、再び連敗ストッパーを演じた。「僕のときに勝っている。連敗が回ってこないのが一番」。昨年はヤクルト戦7試合に登板して4勝1敗、防御率2・68だった。ツバメキラー健在を示す快投でプロ40勝に到達だ。

コロナで出遅れたが、男の意地で取り返した2戦2勝。17イニング1失点の安定感だ。背番号50が虎の反攻を引っ張る。【三宅ひとみ】

○…梅野が会心の配球で苦手村上を封じた。1打席目は四球を与えたが、その後は2三振を奪い3打数無安打。「ヤギも応えてくれて、配球の中でもすごくハマった」と充実の表情だ。昨季は打ち込まれたが、しっかり対策を研究。渾身(こんしん)のガッツポーズに意地がつまっていた。