オリックスが主砲離脱のショックを一丸で振り払い、1日以来の3位に浮上した。吉田正尚外野手(28)がこの日の試合前に「左大腿(だいたい)部裏の軽度筋損傷」で出場選手登録抹消に。

チームは非常事態に陥るも、新外国人のジョー・マッカーシー外野手(28=レンジャーズ3A)が来日1号を含む猛打賞を放ち、杉本裕太郎外野手(31)も2号ソロ。今季最多12安打で首位楽天に連勝した。

新助っ人が試合を決めるダメ押し2ランだ。4-0の8回無死一塁で、マッカーシーが右翼スタンドに弾丸ライナー。1軍出場2試合目で来日初安打、初アーチ、初猛打賞、初打点をクリアした新主砲は「昨日(20日)は緊張していたけど、最終打席(の右翼への大飛球)で落ち着いてプレーできるようになった。(来日1号の)記念球はアメリカに帰ったときに両親に渡したい」と笑顔を見せた。

杉本は、試合の流れを引き寄せた。3-0の4回、楽天早川の直球を左中間スタンドに運び、4月5日ソフトバンク戦以来のアーチに。再離脱となった吉田正に「あいつのような活躍はできないけど、皆で束になってかかれば、こういうふうに、今日みたいに勝てるっていうのがあるので。みんなそれを分かっているので、はよ治してほしいです」と、気遣いながら早期復帰を願った。

24日開幕のセパ交流戦は、当面は吉田正抜きで連覇を目指す。中嶋監督は「しっかり治して、不安がないように。不安を全部なくしてからになると思うんで」と復帰時期を慎重に見極める見込み。それだけに、主砲不在をカバーした戦いに「うれしいですね」と表情を崩した。【堀まどか】

◆ジョー・マッカーシー 1994年2月23日生まれ、米国出身。バージニア大から15年ドラフト5巡目でレイズ入り。19年から21年まではジャイアンツに所属し、20年にメジャーデビュー。4試合で無安打だった。22年からはレンジャーズに所属。191センチ、100キロ。左投げ左打ち。愛称はマック。

○…山本がロッテ佐々木朗らに並ぶ5勝目を挙げた。序盤は楽天打線にファウルで粘られ、2回は長打と四球で1死二、三塁。「変化球をうまく操れず、そこからフォームが崩れちゃったというか、全然コントロールできませんでした」と苦しんだが粘投で切り抜け、3回以降は安打は許さず。5回終了時で「104球いっちゃってたので。調子が良くて104球だったらいけますけど、今日の調子ではきつかったですね」と今季最短5回で降板。だが打線の効果的な援護で、楽天戦先発試合の連勝を7に伸ばした。

【関連記事】オリックスニュース一覧