阪神アーロン・ウィルカーソン投手(33)が、令和の完全男・ロッテ佐々木朗とのしびれる投手戦を制した。来日最長の8回を無失点に抑え、青柳と並ぶチームトップタイの4勝目だ。

「本当に楽しかった。彼ともっと長く投げられたらなというところはあった」

お互い譲らず「0」を重ねた。佐々木朗がこの日も160キロ超の直球と150キロのフォークでねじ伏せると、ウィルカーソンは最速149キロの直球と多彩な変化球を低めに集め、凡打を重ねた。「野球のいいところは、違う2つのタイプの投手が違った形で成功できる」と、自分の長所を生かして勝負した。5回1死一、三塁では松川を外角低めチェンジアップで遊ゴロ併殺打。佐々木朗が6回で先に降板すると、7回、8回は3者凡退で攻撃にリズムをもたらせ、9回佐藤輝の決勝弾を呼び込んだ。2週連続の中5日だったが、矢野監督も「よく8回までいってくれた」と連投が続いていたリリーフ陣を休ませた快投をたたえた。

4月中旬から先発ローテーション入りし、防御率1・45と抜群の安定感を見せている。米国のスター、キアヌ・リーブス似と評判のイケメン助っ人が楽しみにしているのが、ハンナ夫人が切り抜いている新聞や雑誌の記事のスクラップだ。お気に入りは5月5日付の日刊スポーツ。「こどもの日企画」で長女エヴァちゃん、長男ボウディ君が書いてくれたパパの似顔絵が掲載された紙面だ。「野球をしている絵を描いてくれたのは初めてだから、思い出に残っているんだ」。米国では右肘手術で野球から一時離れた苦労人。これからも日本の新聞に大きく掲載される活躍を続ける。【石橋隆雄】

【関連記事】阪神ニュース一覧