<日本生命セ・パ交流戦:広島-オリックス>◇4日◇マツダスタジアム

オリックスのエース山本由伸投手(23)が7回117球3安打2失点(自責1)の好投で、リーグトップの6勝目を挙げた。

    ◇    ◇    ◇

紺赤18番対決を引き寄せたのは、キャッキャッと2人で作った「てるてる坊主」だった。オリックス山本と広島森下は昨年8月6日の夜、愛情を込めて数枚のティッシュを丸めた。

東京五輪決勝のマウンドを翌日に控えた1学年上の先輩から、山本は「雨予報だから、てるてる坊主を一緒に作って願おう!」と誘われた。準決勝の登板を終えた山本は、突然の出来事に「森下さんが言い出したんです。結構、かわいいところあるんだなぁ」と、にこやかに応じた。同じ空間を過ごし「ビール乾杯したいね!とか、映画を見たいね!とか。カップルみたいな会話をしてましたね」と胸をときめかせた。

この日の投げ合いが実現する数週間前、山本から「このまま土曜日の先発なら(登板が)当たりますね」と連絡を入れた。森下からの返事は「雨が降らなければ、投げ合えるね」。あのとき作った、てるてる坊主が脳裏をよぎった。

迎えた当日。この日の広島市内は最高気温29度のカンカン照り。ともに大粒の汗を流した。「年に1回しか(交流戦で)投げ合える機会はない。優しい先輩ですけど、そこは勝負事なので」。同じ右投手。1つのマウンド、ザクザクの足場を共有した。【オリックス担当=真柴健】

【関連記事】オリックスニュース一覧>>