阪神の4番・佐藤輝明内野手(23)のバットが5連勝の流れを生んだ。

3回2死一、二塁。日本ハム吉田の真ん中に甘く入った直球を捉えた打球は、一塁手清宮の横を鋭く破って右前へ。二塁から中野がヘッドスライディングで生還し、先制点を奪った。「なんとか先制点を取って援護したいと思っていた。しっかり自分のスイングをすることができました。キモティ~~!」。西武、ロッテなどで活躍したG・G・佐藤氏の決めぜりふを使った談話を試合中に出して喜んだ。

自己最長の9試合連続安打に「まあ、何すかね。毎日必死に頑張っています」と軽く受け流したが、チーム最多5度目の決勝打が光る。4番として何よりも気持ちよかったはずだ。適時打は4試合ぶり。矢野監督は「輝もね、チャンスでちょっと打てていなかったんで。モヤモヤしていたかもしれないけど、1本出て、明日以降につながると思う。勝負強さはこれからつくっていかなあかん」と、得点源としてハッパを掛けた。

日本ハム3連戦はノーアーチで「11球団制覇」は来季へ持ち越し。「三塁を守っていても、セーフティーバントだったり、雰囲気的に何をしてくるのか分からない、守りづらさは多少あった」。先の読めないBIGBOSS野球を肌で感じたことは、大きな経験となった。対戦の少ない投手にも「しっかり自分のスイングをすれば打てる」と思えた。7日からはソフトバンク、オリックスと敵地6連戦。4番として得点を重ね、交流戦初優勝へ導く。【石橋隆雄】

○…G・G・佐藤氏は佐藤輝が自身の決めぜりふ「キモティー」を使ったことに、即反応した。試合中にツイッターで「TT佐藤輝明選手最高! キモティー!!」とつぶやき、ハッシュタグも「#ありがとう」「#どんどん使ってね」とつけた。昨年4月23日にもツイッターで励ましている。DeNA戦で右翼の佐藤輝は満塁で右前へ転がった安打を後逸。打者走者まで生還させ、一挙4点を奪われる大失策をした。同氏は自身が08年北京五輪の左翼守備で“世紀の落球”をしたことを重ね、「1度の後逸は仕方ない。でも、今のエラーにしっかり向き合って心を整えないとまたエラーするから、落ち着けTT佐藤くん」と投稿していた。

【関連記事】阪神ニュース一覧